キリンHDの『株価はなぜ安い』のか？業績や配当の推移から今後の買い時について分析

この記事では、皆さんのこのようなお悩みにお応えし、以下の3つの投資判断基準からキリンHDの株を徹底的に分析をしました。

  キリンHDの株価が安い理由についてはこちら

また、キリンHDの株に投資を検討している皆さんが気になるであろう項目に関しては、よくあるQ&Aにまとめています。

キリンHDの株に対するよくあるQ&A

※この記事は、株式投資歴13年目の個人投資家であり、現役のファイナンシャルプランナーのボクが、自分の銘柄分析の一環として作成をした記事になります。

本記事の信頼性

キリンHDってどんな企業？

キリンHDは何で稼いでいるのか？

それでは、キリンHDが『何で稼いでいるのか？』決算資料をもとに簡単にまとめてみました。

2022年度の売上高に関しては、国内ビール・スピリッツの売上高が約33%と最も大きな割合を占め、その次に医薬事業と続きます。

国内での売上高割合は58.3%で、海外売上高比率は41.7%と海外での売上もかなり大きいです。

こちらは、2022年度の事業利益増減の要因です。

コスト高騰の影響でグループ全体で▲400億円も、価格改定・コスト削減で対応し相殺。

事業利益は前期比15.6%増とグループ全体で大幅な増益を実現しています。

月足10年チャートの推移

つぎに、キリンHDの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

こちらは、月足10年チャートです。

2018年4月頃に好調な業績を背景に上場来高値の3199円を記録も、その後株価は下落トレンドで推移。

コロナショック以降は2000円前後での株価推移が続いています。

最近の株価推移

直近の値動きを日足1年チャートで確認をすると、23年の1月頃に直近安値の1905円をつけてから株価は上昇。

一時10％超の上昇を見せるも、株価は再度下落。8月8日に発表された2Q決算の内容を受け株価は急落しました。

現在は、窓を埋め2000円前後で推移しており、ここで下げ止まることが出来るか注目です。

様々なテクニカル指標を利用してチャート分析をしたいという方にはマーケットスピード2がおすすめです。

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業績は成長しているのか？

キリンHDの『業績は成長しているのか？』把握をするために下記の2項目を確認していきます。

売上高の推移

それでは、キリンHDの『過去10年間の業績の推移』を確認していきます。

利益率の推移

こちらは、キリンHDの『過去10年間の利益率の推移』です。

ここで、同業種のライバル企業「アサヒGHD」の利益率と比較してみましょう。

株主還元は魅力的なのか？

キリンHDの『株主還元は魅力的なのか？』把握をするために下記の3項目を確認していきます。

配当金の推移

それでは、キリンHDの『過去10年間の配当金の推移』を確認していきます。

予想配当利回りの推移

つづいて、キリンHDの『過去5年間の予想配当利回りの推移』を確認していきましょう。

予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、

上記資料の過去5年間の配当利回りの推移は、銘柄スカウターで確認をすることが出来ます。

自社株買いの推移

つぎに、キリンHDの『過去10年間の自社株買いの推移』を確認していきましょう。

総還元利回り

つづいて、キリンHDの『過去10年間の総還元利回りの推移』がこちらです。

株主優待

こちらは、キリンHDの株主優待です。

キリンHDが株主優待を廃止しない理由とは？

オリックスやJTを筆頭に、近年の株主優待廃止の理由を確認すると、「公平な利益還元のため」が占める割合が増加傾向にあります。

株主優待は、

などといった課題を抱えているとの指摘もあり、株主の平等性の観点から廃止する企業が増えてきています。

その点、キリンHDの提供している株主優待は、自社サービスを利用してもらう機会を提供する株主優待となっており、優待内容（金額）も大きすぎない内容ですので、株主優待を廃止する可能性は低いのかなと、ボクは考えています。

「株主優待廃止の流れの理由と対策について知りたい！」という方には、下記の記事がおすすめです。

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株主優待は『なぜ』廃止の流れなのか？その理由と廃止されやすい銘柄の特徴とは

キリンHDの現在の株価は割安なのか？

キリンHDの『現在の株価は割安なのか？それとも割高なのか？』把握をするために下記の3項目を確認していきます。

予想PERの推移

それでは、予想PERの推移を過去5年間レンジで確認してみると、

実績PBRの推移

つづいて、実績PBRの推移を過去5年間レンジで確認してみると、

理論株価

それでは最後に、今の株価が理論的に割安なのかどうかを確認しておきましょう。

キリンHDの現在の株価（2,039.5円）に対して、

上記のような理論株価になっています。

最新の割安度合いを効率的にチェックしたいという方には、銘柄スカウターがおすすめです。

キリンHDの株価が安い理由とは？

先ほど割安度合いを確認した通り、各種指標でキリンHDは割安感のある株価水準となっています。

その理由は主に下記の3点が要因として考えられます。

順番に解説をしていきます。

新型コロナウイルスによるビール事業の業績悪化

キリンHDの株価が安い理由の一つ目が、「新型コロナウイルスによるビール事業の業績悪化」です。

新型コロナウイルスによって、人々の行動は大きく制限されました。

その影響で、今までのように気軽に外食できない環境が生じ、外食産業は大打撃。

キリンHDも同様で、外食をする人が減ったことで、ビールの消費量は大きく落ち込みました。

その結果、2021年12月期の営業利益は前期比▲33.8%と大幅減益となっています。

多額の減損損失

キリンHDの株価が安い理由の二つ目が、「多額の減損損失」です。

キリンHDは、2023年8月時点で27もの子会社を抱えています。

その子会社の業績が悪化すれば、その株式価値が下がり、取得価格との差額が減損損失として計上されます。

最近だと、連結子会社である協和発酵バイオの収益性が悪化していることから、同社の非流動性資産に関する減損損失約430億円を22年12月期連結決算に計上しています。

ミャンマー事業の撤退

キリンHDの株価が安い理由の三つ目が、「ミャンマー事業の撤退」です。

ミャンマー事業撤退の流れ

最終的には、今まで得てきた配当金などを勘案しても、買収額の3分1程度は回収のメドが立たないままの撤退となりました。

キリンHDの株に対するよくあるQ＆A

それでは、キリンHDの株に対するよくある質問にお答えしていきます！

キリンHDの株に対するよくあるQ&A

Q1 . 将来性のある企業ですか？

結論：個人的には「将来性のある」企業だと考えています。

キリンHDの魅力について

キリンHDの懸念材料について

これらを踏まえて、ボクの個人的見解は…、

ボクにとっては高配当株ポートフォリオの一角に組み込みたい銘柄のひとつです。

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【日本株版】永久保有したい『おすすめ』高配株を7銘柄紹介！長期保有必須の銘柄とは

Q2 . 「今」って買い時ですか？

結論：個人的には「今」は積極的に買いたいとは思いません。

ちなみに、

※あくまでも個人の見解です。

キリンHDの予想配当利回りが3.5%まで上がるためには、株価は1971円まで下げる必要があります。

キリンHDの株価は現在、2Qの決算発表後に大きく下げ、目標株価まで近づいてきており、もう少し待ちたいとボクは考えています。

もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。

テクニカル指標の状況

個人的な見解に加えて、客観的な指標としてテクニカル指標の状況を確認しておきましょう。

キリンHDの現在の株価はシグナルが一つも出ておらず『中立』となっています。

キリンHDのテクニカル指標の中では「25日乖離率」が、過去2年間での通算パフォーマンスが最も高く、売買タイミングの参考にしたいテクニカル指標となっています。

上記資料の過去2年間の売買シミュレーションのデータは、auカブコム証券で口座開設済みの方のみ確認ができます。

Q3 . キリンHDの株の買い方について教えてください。

キリンHDの株の買い方の手順はこちらです。

買い方の手順4STEP

といった質問をよく頂きます。

ちなみに、ボクはSBI証券をメイン口座として活用しています！

一番の理由は「業界屈指の格安手数料」です。

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【重要】配当金で人生を豊かにするために

と思っているけど、今はまだ資金が少ない…という方は1株ずつ高配当株を購入していくことを僕はオススメします。

ちなみに、日本を代表するメガバンク三菱UFJフィナンシャルグループ（配当利回り：4.42%）の株は、1株たったの928円ですので、誰でも気軽に購入ができます！（2023年5月29日時点）

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資産形成を加速させる上でのポイントは、『贅沢をする順番を変える！』ということです。

誰もが最初は少額から。1株ずつコツコツと一緒に高配当株を積み上げていきましょう。