先日7月12日火曜日に、【AGCが『2022年12月期の上期業績予想』を上方修正】しました。
AGC業績予想の修正に関するお知らせ
出所:AGCのHP
修正内容
■売上高 :8700億円予想⇒9700億円予想(+11.5%)
■営業利益:950億円予想⇒1150億円予想(+21.1%)
修正の理由
・東南アジアで化学品セグメントの販売価格が当初想定より高い水準で推移
・欧州の建築用ガラス事業において原燃材料価格上昇分を販売価格に転嫁
この上方修正を受けて、翌日に『Q.AGCの株を買いたいと思いますか?』とアンケートを取りました。

少し話が逸れましたが、
こちらのアンケート結果を見た感想
『そりゃ、買いたいと思うよな。僕も買いたいと思ったし。』って感想でした。あとは、意外と持ってる人少ないんだなって事と、きっとAGCに「興味はあるんだけど、そこまでAGCの事をよく知らない」んだろうなって感じました。
これらを踏まえて、今回は業績予想を上方修正したAGCを深堀りした上で、僕なりの見解を解説していきたいと思います。

【5201】AGCを深堀り
それでは、【5201】AGCを深掘りしていきます。
【5201】AGC
出所:AGC公式HP-企業情報
企業概要
AGCグループは、世界最大手のガラスメーカーです。日本・アジア、欧州、米州に拠点を築き、グローバルなビジネス基盤を確立しています。「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス・その他」の事業領域で、110年を超える歴史の中で培った世界トップレベルの多様な素材・技術、幅広いお客様基盤、高度な生産技術を強みとして、新たな価値創造に挑戦しています。
類似企業比較
出所:バフェット・コード
One-Pointメモ
日本電気硝子、セントラル硝子、日本板硝子、石塚硝子と比較をする中で、時価総額順に並べています。こうやって比較をしてみると、売上高、営業利益、純利益と業績は勿論のこと、ROE、自己資本比率や、3年株価上昇率など、ほとんどの指標でAGCは優れた数値を出していることが分かります。
業績
次に、業績の確認ということで、『売上高の推移』と『各利益の推移』をチェックしていきましょう。
売上高の推移
One-Pointメモ
売上高は2期連続での減収から2021年12月期に大きく伸ばし、粗利率、営業利益率、純利益率の全てが改善されました。このグラフを見る限り、ここまで業績は堅調に推移してきており、前期そして今期と大きく売上を伸ばす見込みです。
各利益の推移
One-Pointメモ
2018年12月期をピークに2年間低迷していた各利益は前期に大幅増益で過去最高を記録しました。今期の純利益は前期から減益の予想ですが、1Qの結果が素晴らしく、上期業績予想も上方修正されたことからも、通期業績予想も上方修正されてくる可能性が高いと僕は見ています。
財務
次に、財務の確認ということで、『自己資本比率の推移』と『利益剰余金/有利子負債の推移』をチェックしていきましょう。
財務面の推移
One-Pointメモ
コロナ禍の2020年12月期に自己資本比率は一時下がり、50%を下回るも、2021年12月期には持ち直し、常に50%前後を維持しています。利益剰余金は2014年12月期から毎年増え続けており100億円が見えてきました。
配当金
次に、配当金の確認ということで、『EPS/BPSの推移』と『配当金の推移』をチェックしていきましょう。
EPS/BPSの推移
One-Pointメモ
EPSは増減はあるものの着実に成長をしてきています。前期の2021年12月期は2014年12月期と比べて約8倍にまで成長をしました。BPSに関しては、綺麗な右肩上がりのグラフとなっており、前期は2012年12月期と比べて約1.5倍にまで成長しています。
配当金の推移
One-Pointメモ
AGCは、2013年12月期から減配は一度もありません。8年間で増配を4回実施しており、配当金は11倍にまで成長。配当性向は上げ下げはあるものの、常に100%以下を維持しており余力はまだあります。配当方針は、当期連結業績や将来の資金需要等を総合的に勘案しながら、連結配当性向40%を目安とした安定的な配当を継続していく方針です。
生産性
次に、生産性の確認ということで、『従業員数の推移』と『一人当たり純利益の推移』をチェックしていきましょう。
生産性の推移
One-Pointメモ
従業員数は2016年12月期から右肩上がりで増えてきています。従業員一人当たりが稼ぐ純利益に関しては、2019年12月期、2020年12月期と落ち込んだものの、前期は平均以上となりました。ただ、全体的には一人当たり純利益は平均以下であることが多いです。これは、メーカーといった業種的に仕方のない事かと思います。
チャート
次に、チャートの確認ということで、『上方修正発表翌日の反応』と、『月足チャート』をチェックしていきましょう。
上方修正翌日の反応
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
下落トレンドで推移をしている中、上方修正を受けてGUしてスタート。ですがその後、ジリジリと下げて前日終値を割って陰線をつけました。
月足
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
2008年頃から現在まで2000円から6000円のレンジで推移をしてきています。現在は下落トレンドとなっており、節目の5000円も下にブレイクし出来高の多い価格帯で推移をしています。
AGCの買い時はいつか
次に、AGCの買い時はいつかということで、『PER/PBRの推移』と、『相対株価/配当利回り』をチェックしながら割安感を見ていきましょう。
PER/PBRの推移
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
PERを見ていくと、過去10年で上は28倍、下は9倍が意識をされているラインと見て取る事ができ、現在のPER8.1倍はかなり割安な水準に見えます。PBRは過去10年で上は1.0倍、下は0.6倍が意識をされているラインで、徐々に下げてきてはいるものの、現在の0.74倍はまだ下落の余地があります。
One-Pointメモ
対TOPIXでの相対株価を見ていくと、AGCは常にTOPIXを下回っており、過去10年間でTOPIXの75%になっています。次に配当利回りの推移を見ていくと、2021年頃から増配と株価下落を要因に配当利回りが上がってきています。過去10年の推移を見るに配当利回りが4%を超える水準はほとんどなく、一つの買い場としては面白いかと思います。
個人的見解
ここまでAGCを深掘りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここからはまとめとして、僕の独断と偏見にまみれた独り言を少し話そうと思います。
高配当株投資で重要なこと
『業績が今後も伸び続ける』であろう企業の株を『出来るだけ安く』買うこと
AGCの業績は前期に過去最高益を記録しており絶好調ですが、これは今後も続くのでしょうか?
その判断をする為に、好業績を上げている要因を確認しておきましょう。
業績好調の要因
AGCの業績好調の一番の要因は化学品セグメントの販売価格の上昇です。これは今回の上方修正の要因でもあるのですが、中国電力規制の影響により、苛性ソーダ市況は2021年の頭から販売価格は2倍以上に高騰、塩ビ市況も2020年の頭から2倍以上に価格が高騰するなど、業績を牽引する一番の要因となっています。
じゃあ、これが今後もずっと続くのかというと、僕は一過性のものだと考えており、それ以外の分野で今後業績を伸ばしていく必要があります。
その中で僕が期待しているのが、『自動車用ガラス』の販売です。半導体不足の影響による減産から徐々に回復をしてきており、多くの地域で出荷が増加してきています。
また、日本/アジアを中心に製造設備の稼働率が向上し、製造原価が低減することもプラス要因です。
次に、今の株価は割安なのか?についてです。
今の株価は割安なのか?
先ほどチャートで確認をした通り、過去10年の中で判断をすると
■PER⇒割安な水準
■PBR⇒普通
■配当利回り⇒割安な水準
業績はこのまま伸び続けるか?というと疑問ですが、落ちていくとも考えづらいです。
それに対して、現在の株価水準は過去10年の中で相対的に割安であると判断できます。
ですので、個人的見解ではありますが、現在の下落トレンドから下げ止まりを確認し、それから購入をするのであれば、高い配当利回りを享受できるので、悪くはないと考えています。
さいごに
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