この記事はこんな方におすすめ!
- 円高と円安ってどっちがいいの?
- 為替と株式相場の関係を知りたい…。
- 円高・円安になった時の投資対策を知りたい…。

今回は、定期的にニュースでよく耳にする円高・円安について、実生活への影響や、株式投資との関係、メリット・デメリットについて注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、少しでもみなさんの今抱えている不安を取り除くことができればと思います。
この記事の内容は…
記事前半では円高・円安の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説し、後半では円高・円安になった時の投資対策を紹介していきます。
※すぐに『円高・円安になった時の投資対策を知りたい!』という方は、【対策あり】個人として注意すべきは「円安」!からご覧ください!
円高・円安とは?超わかりやすく解説
前提として、日本円を含む「通貨」の価値は相対的に決まっています。相対的というのは、「ある対象と比較して高いか?安いか?」で決まるという意味です。
それでは、本題の「円高・円安」について話をしていきます。
円高・円安の意味自体は超簡単で『他国通貨と比べて、日本円の価値が高くなっているのか?安くなっているのか?』を表しています。
- 円高:他国通貨と比べて、日本円の価値が高くなっていること。
- 円安:他国通貨と比べて、日本円の価値が安くなっていること。
ちなみに、日本銀行のHPにはこのように記載されています。
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。
円高・円安の覚え方をチャートで解説
ただ、ややこしくなってくるのが「1ドル110円で円高になっています!」とか、「1ドル150円で円安になっています!」などの為替情報として説明される場合です。

「米ドル/日本円の価格が上がっているのに円安なの…?」と疑問に思った経験がある方も多いかと思います。

円高の場合:日本『円』の価値が『高』くなる⇒1ドルに交換するのに必要なお金が「減る↓」⇒米ドル/日本円の価格が『下がる↓』
円安の場合:日本『円』の価値が『安』くなる⇒1ドルに交換するのに必要なお金が「増える↑」⇒米ドル/日本円の価格が『上がる↑』
ここまでで、円高・円安それぞれの意味は把握できたかと思います。
しかし、重要なのはここから。 次章では、「そもそもなぜ円安になったり、円高になったりするのか?」についてです。
【歴史的な円安】そもそもなぜ円安になった?
2022年に入って、為替相場は大きく変動しました。

1月~10月の時点で1ドル=115円から32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進行しました。
2022年の年末には1ドル=130円程度で落ち着きましたが、円安がここまで進行したのにはみなさん驚いたかと思います。
為替に大きな影響を与える7つの変動要因
為替の変動要因として一般的にあげられるのが下記の7つです。
- 金利差
- 貿易収支
- 物価変動
- 中央銀行の為替介入
- 政治的要因
- 経済指標の発表
- 地域紛争・戦争
この7つの中でも、最も影響力があるのが『各国の金利差』になります。
歴史的な円安へと繋がった『日米の金利差』
2020年に起きた新型コロナウイルス感染症を発端とする経済ショック時に、米国は自国経済を支えるために「お金バラマキ政策」と「ゼロ金利政策」を行いました。
その結果、米国経済はいち早く回復し、2020年と2021年は主要な経済指数であるS&P500などが何度も最高値を更新しました。

ただ、その反動として、米国ではインフレが深刻化。
2022年3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では0.25%金利を引き上げゼロ金利政策を解除。 さらに5月には22年ぶりとなる0.5%の金利引き上げを実施、6月・7月・9月と超異例の3回連続で0.75%金利を引き上げました。
これにより、米国の金利が上昇し、ゼロ金利政策を続ける日本との金利差が拡大。
当然、みんな金利が低い通貨よりも、金利が高い通貨の方が欲しいので、米ドルの価値が『高』くなり、日本円の価値が『安』くなったことで、米ドル『高』、日本円『安』が加速しました。
ただ、今まで全く利上げをする素振りすらなかった日本が2022年12月20日にサプライズで「事実上の利上げ」を決定。

これにより、日米の金利差が縮小していくとの見方によって、米ドル/日本円は円『高』へと進みました。
このように、金利差は為替の大きな変動要因となります。
それでは、なぜ円安になったり、円高になったりするのか理解したところで、みなさんが最も気になるであろう「結局、円高と円安ってどっちがいいの?」について次章で解説をしていきます。
円高と円安どっちがいいの?メリットとデメリットについて解説
円高と円安について考える際に気になるのが、「結局、円高と円安ってどっちがいいのか?」ではないでしょうか。
円高と円安は日本経済への影響に限らず、私たちの生活にも密接に関係しています。
まずは円高・円安それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、どっちがいいのか考えていきましょう。

円高のメリット・デメリット
一概には言えませんが、個人の方からすると、円高はメリットの方が多く感じられると思います。
円高になると、外貨を少ない円で購入できるため、円を外貨に交換する機会が多い人にとっては有利に働きます。
多くの方が基本的には日本円を持っているかと思います。 1ドル=100円とかで米ドルが買えたらめちゃくちゃ嬉しいですよね…?(2023年1月10日時点では132円)
円高のメリット
円高の主なメリットは下記の4つです。
- 輸入品が安く買える。
- 海外旅行がお得にできる。
- 米ドル資産などの海外資産を安く購入できる。
- 企業は輸入コストが安くなり、輸入産業の利益が増える。
円高では、日本円の価値が高くなるため「海外のモノ」を安く買えるようになります。
もちろん、外貨も安く調達できるため「海外旅行」も安く済むという仕組みです。
【1ドル150円から1ドル100円になった場合(円高)】
・1ドル150円の時 ⇒ 1.5万円で買えるのは「100ドル」
・1ドル100円の時 ⇒ 1.5万円で買えるのは「150ドル」

企業に関しても根本的な考え方は同じ。
輸入(材料・燃料など)を安く済ませることができるため、コストが減り、利益を最大化しやすくなります。
円高のデメリット
円高のデメリットは下記の3つです。
- 米ドル資産などの海外資産が相対的に下がる。
- 日本の輸出製品が高くなり、海外で日本製品が売れづらくなる。
⇒輸出産業の業績が落ちる。 - 海外旅行客の減少により、インバウンド事業の業績が落ちる。
円高は個人よりも、企業と日本経済へのデメリットが大きくなります。
例えば自動車を筆頭とした輸出産業の業績が悪くなったり、海外旅行客の減少を招いてしまうことが予想されます。
注意ポイント
円高が長期化すると、【企業の売上が下がる ⇒ そこで働く従業員のボーナスや給料が下がる ⇒ 消費者の買い控え ⇒ 景気が悪化】といった悪循環へと及ぶ可能性もあります。
円安のメリット・デメリット
一概には言えませんが、個人の方からすると、円安はデメリットの方が多く感じられると思います。
円安のメリット
円安のメリットが下記の3つです。
- 米ドル資産などの海外資産が相対的に上がる。
- 日本の輸出製品が安くなり、海外で売れやすくなる。
⇒輸出産業の利益が増える。 - 海外旅行客の増加によるインバウンド事業の業績が伸びる。
円高とは異なり、円安はどちらかというと企業側のメリットが大きくなります。
まず円安になると、海外からすれば日本製品が安く買えるようになります。 すると、自動車や電子部品などの輸出製品がよく売れるようになり、輸出産業が活発になります。

個人としてのメリットは、米国やその他海外に投資している場合、保有資産の価値が相対的に上がることや、日本株式が株高になりやすいことがあげられます。
円安のデメリット
円安のデメリットが下記の3つです。
- 輸入商品が高くなり、原油などのエネルギー資源も値上がりする。
- 米ドル資産などの海外資産の購入コストが高くなる。
- 輸入コストが高くなり、輸入産業の業績が落ちる。
円安のデメリットは、個人に対する影響が大きくなる傾向にあります。
円安になると、輸入品に頼っている日本では「生活必需品の値上げ」が徐々に起こります。すると、賃金などは変わらないのに出費は増えてしまいますよね。
特に、株式などの金融資産を持っていない場合には、資産が目減りしてしまうため注意が必要。

消費者からすると、恩恵よりも生活コストが増えるデメリットの方が大きく感じられるのが「円安」といえます。
円高・円安のメリット・デメリットまとめ
円高・円安どっちがいいのか?一概には言えませんが、私たち個人の生活にとっては、『円高』の方がメリットが大きいかと思います。
ただ、円高が長期化すると日本経済が停滞する恐れもあるため注意が必要
それに対して、『円安』は個人に対するデメリットが大きく、企業に対するメリットが大きいため、円安メリットを享受できる企業の株式を持つなどして、資産価値の目減りに対するリスクヘッジをしたいところです。
【対策あり】個人として注意すべきは「円安」
円安のデメリットでも解説をしたとおり、個人の生活への直接的な影響が大きいのは『円安』です。
特に、以下のような状況下における円安は個人の生活にとって大きな悪影響を及ぼす可能性が高いです。
- 原油や大豆、小麦などの資源価格が高騰しているのが、日本だけではなく世界的な場合。
- 景気が悪く、物価が上昇しているにも関わらず、給料は上昇していない場合。
上記のような場合に、銀行預金といった資産しか持っていないのであれば、円安が進むにつれて実質的に「損」し続ける(資産が目減り)ことになってしまいます。
では、個人としてできる対策は何があるのでしょうか。
【初心者向け】円安対策におすすめの投資先2選
円安のときにするべきことは、銀行預金以外の「金融資産」を持つのがセオリーです。
銀行預金以外の「金融資産」の例
- 日本株式
- 米国株式
- 投資信託
- 米ドルなどの外貨預金
ボクも実際に持っている金融資産の1つとして、日本を代表する企業の株式があります。
円安のメリットでも解説をしたとおり、円安は個人とは反対に企業側にとってはメリットが大きいです。
その中でも、円安時に特に注目をされるのが、下記の2つです。
- 輸出関連の企業
- インバウンド関連の企業
この2つのテーマが円安時には特に注目をされます。
反対に、円高が今後進むことで業績が悪化しそうな企業をまとめたので、気になる方は合わせてどうぞ。
≫ 【やめとけ】持っていたら危険な高配当株!円高がすすみ業績悪化か
輸出で利益を上げている企業の株を持つ
円安のときは、海外での日本のモノやサービスの価格が下がるため、輸出企業に有利に働きます。
獲得した外貨を円に交換する際も、円安が進むと多くの収益が見込める点もメリットです。
日本の輸出の上位5品目は以下の通りです。
- 自動車
- 半導体等電子部品
- 鉄鋼
- 自動車の部分品
- 半導体等製造装置
円安のときは、これらの品目を扱う企業の業績に好影響が出る傾向にあります。
インバウンド関連企業の株を持つ
訪日外国人観光客が、日本国内でお金を使うことで売上を上げている企業は、外国人観光客が増える円安の時期に大きく業績を伸ばすことが期待できます。
みなさんご存知の通り、以前は中国人観光客による家電品や生活必需品などの「爆買い」が話題となりました。
近年では、日本文化を体験できるサービスにも注目が集まっており、コロナ禍で大打撃を受けたインバウンド関連企業の復活が期待されています。
【Q&A】円高・円安に関するよくある質問
それでは、ボクのもとに頻繁にいただく質問に対してご回答していきます。
Q. 結局、円高と円安はどっちがいいの?
一概には言えませんが、生活必需品の多くを輸入に頼っている日本では、円安のほうが個人の生活に悪影響を与える割合が大きいと考えられます。
Q. そもそも、今って円高?それとも円安?
まずは、こちらのチャートをご覧ください。

2022年のドル円相場は、非常に値動きの激しい1年となりました。
年初は、1ドル112円台だったにも関わらず、10月頃にはなんと151円台まで円安が進みました。
ここだけ見ると、1年間で30%以上も円安が進んだことになりますが、10月をピークに反転。
一転して、今度は約20円も円高に進みました。

現在は乱高下の激しい相場となっており、円高なのか?円安なのか?
正直なんとも言えないところです…。
ただ、過去20年間のドル円の推移を見る限りでは、比較的円安の水準に位置していると言えるかと思います。
Q. 円安対策は何をすればよいですか?
銀行預金以外の「金融資産」を持つのがおすすめです。
ボクは、毎年配当金がもらえる高配当株投資をメインに投資をしています。数百円から可能ですので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
-
-
【やめとけ】持っていたら危険な高配当株!円高がすすみ業績悪化か