

今回の記事では、皆さんのこのようなご相談にお応えし、
- 【記事の前半】連続増配株を買うメリットについて具体例を交えて解説
- 【記事の後半】株価を下げている今買い時の連続増配株を3銘柄紹介
本記事の信頼性

今回の記事を最後まで読むことで、高配当株投資においてとても重要な銘柄選定についての理解を深めることができ、みなさんの高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。

※すぐに『株価を下げている連続増配株を3銘柄知りたい!』という方は、目次の【最も注目をしている銘柄はこれ!】にとんで頂ければと思います。
動画で見たい方はこちら
【具体例】連続増配株を買うメリットとは
それでは、高配当株初心者のために、連続増配株を買うメリットについて日本の連続増配年数No.1花王を例に解説をしていきます。

みなさんはこの配当金の推移を見て、連続増配株にはどのようなメリットがあるのか分かりますでしょうか?
連続増配株のメリットは主にこちらの3つです。
- 買値で見た配当利回りが年々上昇していく。
- 配当の原資である利益の長期的な増加に、会社が自信を持っている。
- 配当期待の買いが入って株価の上昇も期待できる。

こちらの月足チャートを見て頂いて分かった通り、配当金が上がり続ける限り、買値での配当利回りはどんどん上がっていきます。
また、2002年3月期、2012年3月期から見ると、現在の株価は下げてきたとはいえ、2倍以上にまで上昇をしています。
花王の株価は現在5000円を割ってきましたが、SNSを見ていると一定数の投資家はやはり買い向かっており、配当期待の買いが入ることで株価が底堅くなる点は連続増配株のメリットです。
株価を下げている連続増配中の高配当株
それでは、みなさん気になっている株価を下げている『今買い時の』連続増配中の高配当株の3銘柄がこちらになります。
- 12期連続増配中の大手ファブレスメーカー
- 8期連続増配中の独立系のITサービス会社
- 9期連続増配中のハウスメーカー
みなさんは、これだけでなんの銘柄かわかりますでしょうか?
3銘柄ともにコロナショックも乗り越え、連続増配を継続している優良銘柄ですので、株価を下げた今が面白いタイミングかなと見ています。

前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツールの『TradingView』を活用して、【2023年3月2日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
【1銘柄目】エレコム(6750)
株価を下げている連続増配中の高配当株、1銘柄目は、【6750】エレコムです。
エレコムってどんな企業?
エレコムのことをよく知らない…という方のために、『エレコムがどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

- 円安や部材高の影響は値上げでカバーも、パソコン関連は市況の悪化で足踏み。人件費や物流センター償却の増加で営業益は停滞。
週足チャートの推移
エレコムの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

- 週足チャートで見ると、2017年頃から株価は上昇トレンドで推移。
⇒コロナショックで株価を大きく下げるも、2020年の7月頃に上場来高値の2775円をつける。 - ですがその後、株価は下落トレンドに転換。
- 現在はピーク時の上場来高値から株価は50%以上下落し1314円。
⇒コロナショック時の株価も下回る。
業績の推移
エレコムの『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

- 成長率に関しては、過去10年間で売上高は71.6%増、当期利益は213.9%増と約3倍と着実に成長。
今期進捗状況
エレコムの『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

- 1Qは前期比-27.6%、2Qは前期比+3.8%、3Qは前期比-27.3%と前期を大きく下回っている状況。
- 過去3年間の傾向を見ると、バランスよく利益があがっており、時期による偏った傾向はなし。
配当金の推移
エレコムの『過去10年間の配当金の推移』を確認していきましょう。

- 増配率に関しては、過去5年間で64.4%増と着実に増配。
配当方針に関して
今後も高い利益率を守りながら売上を伸ばす経営に尽力し、配当性向30%以上を目標に掲げる。
自社株買いの推移
エレコムの『過去10年間の自社株買いの推移』を確認していきましょう。

- 総還元利回りは、15年3月期に10%超、21年3月期に5%超と高還元。
⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は3.57%と魅力的な水準。
割安度合いのCheck!
エレコムの『現在の株価水準は割安なのか?』を確認していきましょう。

- 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は3.10%、平均値は2.38%、最小値は1.64%。
⇒現在の配当利回りは3.04%。 - 予想PERに関しては現在11.9倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、ともに中央よりもかなり低い水準。
- 実績PBRに関しては現在1.41倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、こちらも中央よりもかなり低い水準に位置。
アナリストの評価
エレコムの『アナリストの評価』を確認していきましょう。

個人的見解
ここまでを踏まえて、エレコムに対するボクの個人的見解は、
- エレコムは業績堅調な連続増配株のひとつ。
- 配当性向は30%前後で推移しており、配当余力も十分にある。
- 上場来高値をつけた20年7月から株価を50%以上下げており、かなり割安な水準。
業績は過去最高純益を記録した21年3月期から前期は減収減益、今期も減益の予想とピーク時からやや勢いが落ちている点は懸念材料。

【2銘柄目】DTS(9682)
株価を下げている連続増配中の高配当株、2銘柄目は、【9682】DTSです。
DTSってどんな企業?
DTSのことをよく知らない…という方のために、『DTSがどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

- クラウドを軸にDX案件が好調で、金融案件も上向く。開発費・人材費増、下期買収費用をこなし連続増益の予想。今期は記念配当を実施予定。
週足チャートの推移
DTSの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

- 週足チャートで見ると、2017年頃から綺麗な右肩上がりのチャート。
⇒コロナショックで株価を大きく下げるも、2022年の9月頃に直近高値の3705円をつける。 - ですがその後、株価は大きく下落。
- 一時、直近高値から株価は20%超下落も、トレンドラインで反発。
⇒とはいえ、まだ直近高値から10%超低い3240円。
業績の推移
DTSの『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

- 成長率に関しては、過去10年間で売上高は64.6%増、当期利益は405.0%増と約5倍と素晴らしい成長率。
今期進捗状況
DTSの『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

- 1Qは前期比+12.9%、2Qは前期比+5.2%、3Qは前期比+7.8%と3Q全てで前期を上回る。
- 過去3年間の傾向を見ると、4Qでの経常利益割合が31.7%と最も大きく、本決算には注目。
配当金の推移
DTSの『過去10年間の配当金の推移』を確認していきましょう。

- 増配率に関しては、過去5年間で100.0%増と着実に増配。
⇒今期は記念配当として1株50円を上乗せ。
配当方針に関して
中長期的な利益還元を目指して、安定した配当の継続や、自己株式取得など機動的な資本政策などに取り組む方針。長期的な目標として配当性向50%以上、総還元性向70%以上を目標。
自社株買いの推移
DTSの『過去10年間の自社株買いの推移』を確認していきましょう。

- 総還元利回りは、3%前後で推移も、前期は6.97%と高還元。
⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は3.37%と魅力的な水準。
割安度合いのCheck!
DTSの『現在の株価水準は割安なのか?』を確認していきましょう。

- 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は4.21%、平均値は2.83%、最小値は2.05%。
⇒現在の配当利回りは3.77%。 - 予想PERに関しては現在17.7倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、ともにほぼ中央に位置。
- 実績PBRに関しては現在2.36倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、こちらは中央よりもやや高い水準に位置。
アナリストの評価
DTSの『アナリストの評価』を確認していきましょう。

個人的見解
ここまでを踏まえて、DTSに対するボクの個人的見解は、
- DTSは業績好調な連続増配株のひとつ。
- 8期連続増配、9期連続自社株買いの実施と株主還元に積極的で非常に魅力的。
- 直近高値から株価を20%超下げたところで大きく反発上昇をしたものの、まだ許容範囲内。
ただ、直近の安値から既に10%超上昇をしてしまっており、再度押し目を待つのもひとつの手かと思います。

【3銘柄目】オープンハウスグループ(3288)
株価を下げている連続増配中の高配当株、3銘柄目は、【3288】オープンハウスグループです。
オープンハウスグループってどんな企業?
オープンハウスのことをよく知らない…という方のために、『オープンハウスがどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

- 牽引役のマンションは下期に引き渡し集中で販売戸数は前期比倍増の2440戸の予想。
⇒分譲戸建ては関西中心に前期比11%増の1.2万戸超の予想。 - 今期の配当は売上高1兆円を記念する特別配当として1株10円が上乗せされる予想。
週足チャートの推移
オープンハウスの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

- 週足チャートで見ると、2017年頃から3500円を上限にレンジで推移。
⇒コロナ禍でレンジ下限まで株価を下げた後、株価は急騰。 - 2021年の11月頃に上場来高値の7440円をつける。
- ですがその後、株価は大きく下落。
⇒現在は上場来高値から30%超下げたレンジ下限で推移。
業績の推移
オープンハウスの『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

- 成長率に関しては、過去10年間で見ると売上高は15倍に、当期利益は30倍超と凄まじい成長率。
今期進捗状況
オープンハウスの『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

- 1Qは前期比-16.7%と前期を大きく下回っている状況。
- 過去3年間の傾向を見ると、下期の3Q、4Qで利益を大きく上げる傾向にあるので下期に期待。
配当金の推移
オープンハウスの『過去10年間の配当金の推移』を確認していきましょう。

- 増配率に関しては、過去5年間で296.9%増。
⇒13年9月期の6.3円から今期予想の154円達成で配当金は10年間で驚異の24倍超になる予想。
配当方針に関して
将来の事業展開と財務体質の強化等を考慮しながら、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針。
自社株買いの推移
オープンハウスの『過去10年間の自社株買いの推移』を確認していきましょう。

- 総還元利回りは、前期に7.78%と自社株買いもあり高還元。
⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は3.06%と3%を超えています。
割安度合いのCheck!
オープンハウスの『現在の株価水準は割安なのか?』を確認していきましょう。

- 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は4.39%、平均値は2.39%、最小値は1.53%。
⇒現在の配当利回りは3.13%。 - 予想PERに関しては現在6.9倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、中央よりも低い水準に位置。
- 実績PBRに関しては現在1.73倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、こちらは中央よりもかなり低い水準に位置。
アナリストの評価
オープンハウスの『アナリストの評価』を確認していきましょう。

個人的見解
ここまでを踏まえて、オープンハウスグループに対するボクの個人的見解は、
- オープンハウスは業績絶好調な連続増配株のひとつ。
- 10期連続で増収増益、9期連続増配と非常に魅力的。
- 上場来高値から約1年半で株価を30%超下げており、過去5年間の中ではかなり割安な水準か。
ただ、金利の上昇等を踏まえ、不動産市況に関してはあまり先行きは明るいとは言えないのが懸念点。

【まとめ】最も注目をしている銘柄はこれ!
今回は、株価を下げている連続増配中の高配当株を3銘柄PICKUPしてみました。
今回紹介をした3銘柄がこちらです。
- 12期連続増配中の大手ファブレスメーカー
⇒【6750】エレコム - 8期連続増配中の独立系のITサービス会社
⇒【9682】DTS - 9期連続増配中のハウスメーカー
⇒【3288】オープンハウス
みなさん興味のある銘柄はありましたでしょうか?

オープンハウスGについて
10期連続での増収増益、9期連続増配と絶好調。ただ、金利の上昇が意識されている中で、不動産市況は明るいとは言えません。そんな中でも、賛否はあるもののオープンハウスの営業力は非常に魅力的です。個人的にはあまり良いイメージはないですが、実際に業績は伸び続けており、今後も連続増配を継続していける可能性が最も高いと見ています。
さいごに
現在ありがたいことに…
2万9000人以上の方が登録してくれているこのYouTubeチャンネルでは、投資初心者の方がゼロから高配当株ポートフォリオを作成していけるようになることを目標としています。
その為に、ボクが高配当株に関する様々な情報をインプットした上で、出来る限りわかりやすく、そして嚙み砕いて解説をしていきます。

ということで今回も、最後まで見ていただきありがとうございました。
もしこの動画が少しでもためになったと感じてくれた方は、コメント欄に感想やいいねをしてもらえると嬉しいです!
それではまた、次回の動画でお会いしましょう。