先日、視聴者の方からこんな質問を頂きました。

・高配当株の中でも利回りが高い銘柄を知りたい。
・銀行株の今後について知りたい。
今回は視聴者さんのこんな悩みを解決できる動画を用意しました。

投資家12年目の僕が成功や失敗を繰り返し、これまでに積んだ経験をもとに、今回は動画を作成しました。
そして、今回の動画の目次がこちらです。
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1銘柄の紹介
今回深掘りをしていく銘柄を紹介し、銀行の収益モデル、貸出金の推移、金利が上がった際の影響について解説。
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2業績や配当金の情報
7つのグラフを用いて、過去の業績等の推移を確認。
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3買い時について
4つのチャートを用いて、過去と比べて現在は割安なのかどうかを確認。

動画で見たい方はこちら
今回深掘りをしていく銘柄とは
今回深掘りをしていく銘柄は、【8316】三井住友フィナンシャルグループになります。
簡単に三井住友フィナンシャルグループがどんな会社か解説をしておくと、
企業概要
三井住友フィナンシャルグループは、三井住友銀行を中核とする大手金融グループです。海外ネットワークは40か国・137拠点あります。
ここからは、三井住友フィナンシャルグループの収益モデルや、貸出金の推移、金利が上がった際の影響について「三井住友フィナンシャルグループの最新の決算資料」を用いて解説をしていきます。
収益モデルについて
収益モデル
One-Pointメモ
一見、何が書いてあるのかよく分からない資料もしっかりと読み解くことが出来れば、今後の業績見通しも変わってきます。ここで一つだけお伝えしておきたいのが、本業の銀行業SMBCの当期純利益5,463億円は三菱UFJ銀行の純利益を大きく上回っているという事です。SMBC単体で見た時は国内NO1の銀行です。
貸出金の推移
One-Pointメモ
このように、87兆円の貸し出しをしているので、0.1%金利が上がるだけで、870億円も利息が変わってきます。そう考えると、2016年1月から始まったマイナス金利政策というものが、どれだけ日本の銀行を苦しめていたのかが分かります。
One-Pointメモ
不良債権の残高はコロナ以降増えてきており、SMBC単体で8,053億円で全体の0.77%、連結で見ると、1兆1,576億円で全体の1.08%です。簡単に言うと、100万円貸したら1万円は返ってこないということです。
金利が上がった際の影響は
One-Pointメモ
シミュレーションの前提として、円金利が足許0%、5年0.15%、10年0.4%に上がった場合のシミュレーションとなっており、貸出金収益は+310億円、市場性運用収益が+80億円、預金調達コストが-90億円で、合計300億円の増益予想です。10年国債は現在0.24%、直近高値は0.32%と、全然ありえるシミュレーションです。SMBCの前期純利益が5,463億円なので、300億円は5.5%にあたります。
過去の業績や配当金情報
ここまで見て頂いた方は、『銀行がどうやって稼いでいるのか』、『貸出金がいくらくらいあるのか』、『利ザヤはどのくらいか』、『金利上昇の影響はいくらくらいなのか』といった事を何となく理解できたかと思います。
ここから先は、過去の業績や配当金情報を7つのグラフを用いて解説をしていきます。
業績
まずは、業績の確認ということで、『売上高の推移』と『各利益の推移』をチェックしていきましょう。
売上高の推移
One-Pointメモ
この経常利益率は同業種内でもかなり高い水準です。
各利益の推移
One-Pointメモ
今期も純利益は増益の予想で、落ち込んできた業績をここから盛り返していけるか注目です。
財務
次に、財務の確認ということで、『利益剰余金/有利子負債/自己資本比率の推移』をチェックしていきましょう。
財務面の推移
One-Pointメモ
利益剰余金はトヨタ自動車や三菱UFJなどに続いて日本5位です。
配当金
次に、配当金の確認ということで、『EPS/BPSの推移』と『配当金の推移』をチェックしていきましょう。
EPS/BPSの推移
One-Pointメモ
大きくEPSが落ち込んだ2021年3月期から一転、2022年3月期は大幅上昇となりました。今期も前期比でプラスになる予想です。
配当金の推移
One-Pointメモ
三井住友フィナンシャルグループの株主還元は、配当を基本に、機動的な自己株取得も実施していく方針です。配当は累進的とし、配当性向は40%を目安としており、大きな増配は考えづらいです。ただ、過去10年間で一度も減配することなく、6回も増配をしています。
生産性
次に、生産性の確認ということで、『従業員数の推移/一人当たり純利益の推移』をチェックしていきましょう。
生産性の推移
One-Pointメモ
過去、従業員1人が稼ぐ純利益が1000万円を超えていた三井住友ですが、現在は1000万円を大きく割れています。ただ、それでも平均よりは全然高い水準です。
同業他社比較
次に、同業他社の「三菱UFJ」「みずほ」「ゆうちょ」「りそな」と比較をしていきましょう。
One-Pointメモ
ざっくりとですが、比較をしてみると三菱UFJがやはり頭一つ抜けており、三井住友が常に2位といった状況。ただ、配当利回りは三井住友が最も高く高配当株投資家にとってはこの配当利回りはかなり魅力的です。
買い時はいつか
最後に、『三井住友フィナンシャルグループの買い時はいつか』ということで、『月足チャート』と、『PERの推移』、『PBRの推移』、『相対株価/配当利回りの推移』をチェックしながら買い場を考えていきましょう。
月足チャート
月足チャート
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
リーマンショック前の2006年4月に上場来高値の13900円をつけるも、リーマンショックで急落。2008年10月頃から現在まで、2000円から5500円のレンジの推移となっています。現在は、上昇トレンドとなっており、出来高の最も多い価格帯で推移しています。
PERの推移
PERの推移
One-Pointメモ
こちらは過去5年間の予想PERの推移です。現在の予想PERは7.7倍で、過去5年の平均値を下回っている状況です。過去2年間で見ると、かなり低い水準です。
PBRの推移
PBRの推移
One-Pointメモ
こちらは過去5年間の実績PBRの推移です。現在の実績PBRは0.47倍で、過去5年の平均値を少し下回っている状況です。過去2年間で見ると、平均よりやや高い水準です。ですが、PBRは解散価値の1倍を大きく割っており、かなり低い水準となっています。
相対株価/配当利回りの推移
One-Pointメモ
対TOPIXでの相対株価を見ていくと、三井住友フィナンシャルグループは常にTOPIXを下回っており、過去10年間でTOPIXの64%になっています。ですが、三井住友フィナンシャルグループの株価は10年前の数値と比較をすると169%になっており株価は上がってはいます。次に配当利回りの推移を見ていくと、減配をすることなく増配を繰り返しているので、配当利回りは上がってきています。過去10年の推移を見るにピンクの線の配当利回り5%を超える水準はコロナ以前はほとんどなく、配当利回りが上がってきている現在は一つの買い場としては面白いかと思います。

個人的見解
ここまで三井住友フィナンシャルグループを深掘りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここからはまとめとして、僕の独断と偏見にまみれた独り言を少し話そうと思います。
本日のまとめ
- 様々な収益源を持っている
⇒本業である銀行業の収益力は日本NO1 - 貸出金残高は増えてきており、利ザヤも増加傾向
⇒一方、不良債権の残高も増加傾向 - 今後、金利が上がった際には大きな増収増益が見込める
- 業績は低迷も、2021年3月期で底打ちか
- 配当利回りは5%超と高いものの、配当性向は40.7%と問題なし
- チャートは現在上昇トレンドになっている
⇒PER、PBR、配当利回りの推移を見るに割高感は全く感じない
また、個人投資家の皆さんに「三井住友FGの株を買いたいと思いますか?」と先日アンケートを取りました。
僕自身の見解としては、このアンケート結果と同様に、『ここから株価を下げる要因』よりも『ここから株価を上げていく要因』の方が多いと考えており、一つの買い場としては悪くないと考えています。
最後に
『高配当株を買って日々の生活を豊かにしていきたい!』と思ってるけど、まだまだ資金が少ないという方は1株ずつ高配当株を購入していくことを僕はオススメします。
昔と違い、今はネット証券大手のマネックス証券でも1株から手数料無料で買い付けが可能です。

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贅沢をする順番をかえるだけ
コンビニでの買い物や、お昼のランチ代、会社の飲み会を1回我慢するだけで、好きな高配当株を買う事が出来ます。ちょっとした我慢を先にすることで、将来的には配当金でランチをしたり、友達と飲み会にいったりすることが出来るようになります。
誰もが最初は少額から。1株ずつコツコツと一緒に高配当株を積み上げていきましょう。
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