先日7月8日金曜日に、米系大手証券会社が『7大商社』の目標株価を引き下げました。
懸念材料
こちらを見て頂くと分かる通り、7月8日に双日、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商、三菱商事と『7大商社』が揃って米系大手証券に目標株価を引き下げられました。ここには載っていないのですが、実は前日の7月7日にも三井物産、住友商事、丸紅、豊田通商、三菱商事の5社が目標株価を引き下げられており、6月中旬まで怒涛の目標株価引き上げが続いていた商社株にそろそろ一服感がでてきました。
この目標株価引き下げを受けて、翌日に『Q.商社株はここから下がっていくと思いますか?』とアンケートを取りました。
その結果、187票の回答をいただき、『商社株はオワコン。ここから下がる↓』が30%、『いやいや、ただの押し目。ここから上がる↑』が27%、『どっちかは分からないけど、上がって欲しい(願望)』が43%といった結果になりました。
こちらの結果を見た感想
かなり多くの個人投資家が『お祈り』をしているという事が分かりました。笑
加えて、下がると思っている人が30%、上がると思っている人が27%と見方が拮抗しており、非常に判断の難しい状況であるということが分かります。
これらを踏まえて、今回は商社株NO1の三菱商事を深堀りした上で、僕なりの見解を解説していきたいと思います。

【8058】三菱商事を深堀り
それでは、【8058】三菱商事を深掘りしていきます。
【8058】三菱商事
企業概要
三菱商事は、総資産・売上高1位の国内最大手の総合商社です。天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10事業をグローバルに展開。
類似企業比較
出所:バフェット・コード
One-Pointメモ
三菱商事は時価総額、売上高、純利益といった面で商社NO1の企業です。個人的には伊藤忠商事の方が好きですが、配当利回りも4%近くと、高配当株投資家にとっては非常に魅力的な銘柄です。
業績
次に、業績の確認ということで、『売上高の推移』と『各利益の推移』をチェックしていきましょう。
売上高の推移
One-Pointメモ
売上高はコロナ禍で一時落ち込んだものの、2022年3月期の売上高は、2014年3月期から126%の増加と着実に成長。粗利率は2019年3月期に売上高の急増と共に下落。その後は横ばいで推移しています。経常利益率、純利益率は2022年3月期に大幅に改善しました。
各利益の推移
One-Pointメモ
2022年3月期は資源価格の上昇を背景に粗利益、経常利益、純利益ともに大幅増益を記録しました。2020年3月期、2021年3月期と2期連続で減益をしたものの、2014年3月期から見ると着実に成長していることが分かります。
財務
次に、財務の確認ということで、『自己資本比率の推移』と『利益剰余金/有利子負債の推移』をチェックしていきましょう。
財務面の推移
One-Pointメモ
利益剰余金よりも有利子負債の方が常に大きいですが、三菱商事の事業内容的には全く問題なし。自己資本比率もそこまで高くはないですが、ここも心配はいらないかと思います。利益剰余金に関して見ていくと、2017年3月期以降に着実に積み上げられてきている事が分かります。
配当金
次に、配当金の確認ということで、『EPS/BPSの推移』と『配当金の推移』をチェックしていきましょう。
EPS/BPSの推移
One-Pointメモ
EPSは増減はあるものの、着実に成長をしてきていることが分かります。前期のEPSは2013年3月期と比較をすると約3倍にまで増えています。BPSは綺麗な右肩上がりのグラフになっています。前期のBPSは2013年3月期と比較をすると約1.8倍にまで増えました。
配当金の推移
One-Pointメモ
三菱商事は、2017年3月期から6期連続増配中で配当金は6年で3倍にまで成長をしました。また、配当性向は常に30%前後で推移をしており問題のない水準です。配当方針は累進的な配当を基本とし、総還元性向は30%~40%程度を目安に株主還元を行う方針です。
生産性
次に、生産性の確認ということで、『従業員数の推移』と『一人当たり純利益の推移』をチェックしていきましょう。
生産性の推移
One-Pointメモ
従業員数はずっと増えてきていたものの、コロナ禍の2020年3月期から減少傾向となっています。従業員一人当たりが稼ぐ純利益は、上場企業の中央値が127万円であるにも関わらず、2022年3月期は1,161万円と驚異の生産性を記録しています。従業員一人が会社に1000万円以上の利益をもたらすってとんでもないと思います。
チャート
次に、チャートの確認ということで、『月足/日足チャート』と『PER/PBRの推移』、『配当利回り/時価総額の推移』をチェックしていきましょう。
月足/日足チャート
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
2012年10月頃の株価1330円から約10年間右肩上がりで株価は上昇をし続けています。そして、2022年6月に資源高を背景に株価は上場来高値の4845円を記録。その後、株価は下落しています。日足チャートを確認していくと、6月9日につけた最高値4845円から急落し、7月6日には3740円を記録。1カ月経たずで-22.8%の下落となっています。4000円のラインも下にブレイクし、流石に買い向かうには早い状況です。
PER/PBRの推移
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
PERは過去10年の水準から見るにかなり割安な水準になっていることが見て取れます。PBRは解散価値の1倍を割れて下がってきてはいるものの、過去10年の水準から見るにまだまだ下落の余幅はあります。
配当利回り/時価総額の推移
出所:バフェット・コード
One-Pointメモ
配当利回りが上がるという事は、企業が増配をしているか、株価が下がっているかのどちらかです。配当利回りが下がるという事は、企業が減配をしているか、株価が上がっているかのどちらかです。三菱商事はコロナショックで株価下落に加え、増配を行い配当利回りは6%を超えました。その後は、株価急騰が理由で配当利回りは下がってきています。この過去の配当利回りの推移を見ると、配当利回りが4%を超えてきたら買い場のようにも見えます。
ゆうすけ君の独り言
ここまで三菱商事を深掘りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここからはまとめとして、僕の独断と偏見にまみれた独り言を少し話そうと思います。
過去の下落率のデータ
出所:投資の森『押し目アラート』
One-Pointメモ
こちらは、過去の下落率のデータになります。僕が普段から活用している投資の森の『押し目アラート』というツールからの引用です。三菱商事は押し目の平均下落率が-7.69%、大型調整の平均下落率が-11.74%、暴落時の平均下落率が-31.55% といったデータが出ており、現在の直近下落率が-19.02%です。押し目だけでなく、大型調整の平均下落率も超えてきているので、暴落のデータを参考にしていくと、平均下落率-31.55%ですので、3500円を割ったあたりが一つの目安になってきます。
ちょうど、3500円のところにラインが引けるので、ここら辺での反発を狙うのが面白いかと思います。
PERの推移、配当利回りの推移ともに割安感が出てきており個人的には3500円前後が買い場だと判断しています。
ウクライナ危機を背景にした原油などエネルギー価格の上昇は勿論のこと、コロナ禍一巡後の消費回復や環境関連事業の拡大、防衛関連需要の増大も商社株には追い風に働きます。
懸念材料
足もとで米国景気後退への懸念から資源価格の調整も見られてはいるものの、ロシアによるウクライナの侵攻の影響により、需給はタイトな状況が長期化する可能性が高そうです。
さいごに
貴重な時間を僕の動画を見ることに使ってしまったあなたに僕からのちょっとしたプレゼント。
僕が普段から監視をしている銘柄リストをテーマ別にまとめた記事を作成しました。
日本株の永久保有銘柄リストや、世界の配当王、バフェットの投資先などといった、絶対に知っておくべき銘柄たちのリストです。
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