日本郵船の今後の買い時について知りたい。
大幅増配を発表した日本郵船の株は買うべきなのか？
皆さんのこのようなお悩みにお応えし、
日本郵船の、
- 業績は成長しているのか？
- 配当や株主優待は充実しているのか？
- 現在の株価は割安なのか？
といった3つの投資判断基準を中心に、皆さんが気になるであろう項目について解説をしていきます。
この記事は、元メガバンク出身の現役FPが、これまでに積んだ経験をもとに執筆しています。
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日本郵船ってどんな企業？
企業概要日本郵船は、世界2位の大手海運会社です。時価総額は約2.3兆円の大型株。「NYK」として知られ世界中のネットワークにより陸・海・空にまたがるグローバルな総合物流サービスを提供。中期経営計画の重点戦略は、従来の海運業の枠組にこだわらない海運業+αをテーマに推進中。
日本郵船は何で稼いでいるのか？
それでは、日本郵船が『何で稼いでいるのか？』適時開示資料をもとに簡単にまとめてみました。
こちらは、セグメント別業績に関する資料です。
2023年度の売上高に関しては、不定期専用船の割合が最も大きく、売上の半分以上を占めています。
前期比での業績を見てみると、全セグメントで売上高はマイナスとなっており低調な推移。ですが、期初の計画からは上振れをしての着地となっています。
つづいて、前期大幅減益となった要因について確認してみると、欧米を中心とした金利上昇およびインフレ等の影響を受け貨物需要が低迷し、市況が下落。新造船竣工による船腹供給量の増加も影響しています。
加えて、定期船、航空運送ともに前年度比で運賃水準が低下したことも大きな要因となっています。
日本郵船の業績推移
それでは、日本郵船の『業績は成長しているのか？』を把握するために、
- 売上高の推移
- 利益率の推移
上記の2項目について確認をしていきましょう。
売上高の推移
- 売上高に関しては、コロナ禍を機に船舶需要の増加により過去最高を更新も、前期は減収。
- 営業利益に関しても同様に、23年3月期に過去最高を更新し、コロナ需要が大きかったことが分かります。
最新の決算短信
- 今期25年3月期1Q終了時点で、売上高は前期比+14.8%、営業利益+39.9%、純利益+50.0%、進捗率は純利益で28.3%となっています。
- 配当に関しては、前期の1株140円から今期は1株260円に増配、増配率は85.7%です。
YUSUKE今期は前期から純利益70.6%増の計画を掲げており、過去の決算を見ると期初計画から上振れしていることが多く、本決算までどういった決算が出てくるのか注目です。
利益率の推移
- 営業利益率、当期利益率ともに、かなりムラがあるものの、21年3月期以降は比較的高水準で推移。今期も前期から大幅に改善する予想となっています。
ここで、同業種のライバル企業「商船三井」の利益率と比較してみましょう。
- 営業利益率：7.32%
- 当期利益率：9.58%
- 営業利益率：6.34%
- 当期利益率：16.07%
YUSUKE営業利益率は日本郵船の方が高いものの、当期利益率に関しては商船三井の方が圧倒的に高くなっています。
日本郵船の株主還元姿勢
つづいて、日本郵船の『株主還元は魅力的なのか？』を把握するために、
- 配当金の推移
- 自社株買いの推移
- 株主優待
上記の3項目を確認していきましょう。
配当金の推移
- 配当金に関しては、業績に連動して推移しており、前期の減配から一転、今期は大幅増配の予想。
- 配当性向に関しては、20%～30%のあいだで推移しており、前期は29.0%と余力はまだまだあります。
配当方針今中期経営計画期間中は、資本効率向上を意識し、成長投資とのバランスを取りながら配当性向30%、1株当たり配当下限を100円に設定しています。
予想配当利回りの推移
予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、
- 最大値：6.50%
- 平均値：3.38%
- 最小値：2.55%
YUSUKE現在の予想配当利回りは5.12%で、平均値を大きく上回っており、日本郵船にしては魅力的な利回り水準です。
自社株買いの推移
- 自社株買いに関しては、過去10年間中2期で実施。
- 総還元性向は、自社株買いを実施した前期に72.7%まで上昇するも、10年平均では28.7%と余力は十分にあります。
総還元利回り
- 総還元利回りに関しては、徐々に上昇をしてきており、23年3月期には29.47%まで上昇、前期も8.00%と高還元。
- また、過去10年間での総還元利回りの平均値は6.67%と、非常に魅力的な利回り水準かと思います。
YUSUKE日本郵船は好調な業績を背景に積極的な株主還元を実施するも、利益剰余金は2兆円以上あり、業績次第では更なる増配にも期待できます。
株主優待
YUSUKE日本郵船の株主優待は、100株以上（約50.7万円分）保有の株主に対して、「飛鳥クルーズの10％割引優待券」が贈呈されます。
日本郵船が株主優待を廃止しない理由とは？
オリックスやJTを筆頭に、近年の株主優待廃止の理由を確認すると、「公平な利益還元のため」が占める割合が増加傾向にあります。
株主優待は、
- 大口の投資家にとってメリットが薄い
- 機関投資家や外国人投資家にとってメリットが薄い
などといった課題を抱えているとの指摘もあり、株主の平等性の観点から廃止する企業が増えてきています。
YUSUKEただ、自社のサービスや商品を株主に優待として提供し、知ってもらう事で、売上が増加し、株価上昇へと繋がれば全ての投資家にとってメリットがあります。
その点、日本郵船の提供している株主優待は、自社サービスを利用してもらう機会を提供する株主優待となっており、優待内容（金額）も大きすぎない内容ですので、株主優待を廃止する可能性は低いのかなと、ボクは考えています。
日本郵船の株に対するQ＆A
それでは、日本郵船の株に対する『よくある質問』にお答えしていきます。
こちらの記事は、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方は企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
日本郵船は将来性のある企業ですか？
日本郵船は将来性のある企業だと思いますか？
結論：個人的には「将来性のある」企業だと考えています。
- 日本郵船は世界2位の大手海運会社です。
- 業績はコロナ禍を機に好調で、総還元利回りは高水準。
- 自動車船が好調で、燃料輸送も堅調、ばら積み船も底堅く推移。
これらを踏まえた上で、ボクの個人的見解は…、
YUSUKE日本郵船の株は、割安感のある株価水準であればポートフォリオの一角に組み込みたい銘柄のひとつです。
日本郵船の株は「今」買い時ですか？
それでは、日本郵船の株価が「どのような値動きをしているのか」確認していきましょう。
こちらは、週足5年チャートです。
2020年3月の安値363.7円から株価は右肩上がりで推移、そして今年の1月には上場来高値の5236円まで株価を伸ばしています。その後、調整をするも、依然として高値圏での推移が続いています。
YUSUKE個人的には、予想配当利回り6.0%（株価4333円）をひとつの購入目安としています。
※あくまでも個人の見解です。
もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。
日本郵船の株はどうやって買うんですか？
日本郵船の株に興味が出てきたので、お得な買い方があれば教えてほしい…。
高配当株のお得な買い方の手順はこちらです。
- 手数料の安い証券会社に口座を開設する
- 開設した口座に入金する
- 銘柄を検索し、買付注文を入れる
- 購入完了
証券会社に口座を開設すると言っても、たくさんあり過ぎてどこが良いのか分からない…。
といった質問をよく頂きます。
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YUSUKEボク自身もSBI証券のS株を活用して単元未満株をコツコツと購入をしていっています。
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