この記事はこんな方におすすめ!
- 高配当株を買おうと思っているんだけど、いつ買えばいいの…?
- 今まで、なんとなく買ってたから具体的な買い時を知りたい…。
- タイミングを見極めるためのツールも教えてほしい…。

今回は、高配当株投資において非常に重要な『買い時7パターン』について、実際のチャートを用いて分かりやすく解説をしていきます!
この記事を最後まで読むことで、高配当株の買い時に対して自信を持つことができるようになります。
この記事の内容は…
記事前半では高配当株投資の魅力と基礎知識について詳しく解説し、後半では高配当株の『買い時7パターン』を紹介していきます。
※すぐに『高配当株の買い時が知りたい!』という方は、【高配当株の『買い時7パターン』について解説】からご覧ください!
高配当株投資の魅力とは?
高配当株投資に興味がある方は、配当金に魅力を感じていることかと思います。
ボクが高配当株投資に取り組む中で実感をした、配当金の魅力が以下の3つです。
配当金の魅力はこの3つ
- 完全なる不労所得
- キャッシュフローが安定する
- 株価の上下に一喜一憂せずに株式投資ができる

配当金は完全なる不労所得
不労所得とは、労働という対価を提供せずに受け取れる所得のこと。
株式投資の配当金は、投資をした会社で働いている優秀な人たちが稼いできた利益や会社の貯金の一部です。
自分自身の労働力ではなく、優秀な人の労働力を味方につけることが出来る点はとても魅力的です。
キャッシュフローが安定する
配当金は増減があるものの、半年に1度や、1年に1度、定期的に受け取ることができます。
自分自身の給料や労働収入に加えて、プラスαの配当金収入が生まれることことで、家計が楽になります。
毎月5万円の配当金があれば、水道光熱費、携帯代を支払っても手元にお金が残ります。
また、キャッシュフローが安定することによって生まれる精神的な安心は金銭的な価値以上のものがあるとボクは思います。
株価の上下に一喜一憂せずに株式投資ができる
高配当株投資において、一番の目的は『安定的に配当金をもらうこと』です。
中長期的な目線での配当金が目的の場合、短期的な株価の上下に気を取られずに運用をすることができます。
高配当株投資において重要なのは、
- いくらの配当金がもらえるのか?
- 投資先の業績に問題はないか?
- 企業の財務状況に異変はないか?
といった点です。
そのため、短期のトレードに比べると、精神的にも落ち着いてよく考えた上で投資をすることができます。
高配当株投資の基礎知識
高配当株投資の基礎的な知識を説明する前に、株式投資について簡単に説明をしておきます。
株式投資で利益を狙うには主に以下の3つのパターンがあります。
- 株価の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う。
- 投資先からの配当(インカムゲイン)を狙う。
- 投資先からの株主優待を狙う。
投資先からの配当を狙う高配当株投資は、株の売買益を狙うよりも再現性が高く、会社員の方でも比較的簡単に真似できる投資方法です。
この章では、2番目の配当について具体的に解説をしていきます。
いつまでに株を買えば配当金がもらえるの?
配当金をもらう目的で投資をする際は『権利付き最終日』を必ず把握しておきましょう。
権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで株主権利を得ることができる最終売買日(権利付最終日)を指します。
配当金や株主優待を取得するためには、各企業が定めている権利確定日に株主として株主名簿に掲載されている必要があります。
そのためには、権利確定日を含む3営業日前(権利付最終日)までに株式を購入しなければなりません。
2023年の権利付最終日一覧
※月末が権利付最終日となる銘柄を対象
例えば、日本電信電話(3月決算)の2023年分の配当金が欲しい場合、3月29日(水)までに約定ができていれば、配当金をもらうことができます。
配当金はすぐもらえるわけではなく、配当の支払いは2~3ヶ月後になるのが一般的です。
配当利回りと配当性向ってなにが違うの?
配当に関する用語はいくつかありますが、その中でも特によく聞くのが「配当利回り」と「配当性向」です。
- 配当利回り:現在の株価に対して、1年間でどれくらいの配当金を受け取ることができるかの指標(予想ベースと過去の実績ベースで分けて表される)
⇒株価が1株1000円の銘柄で、配当金が1株30円の場合、配当利回りは3% - 配当性向:当期純利益のうち、配当金としてどれだけ支払ったかの割合
⇒当期純利益が1000万円で、そのうち500万円を株主に配当金として支払った場合、配当性向は50%
配当性向が高い=利益の多くを株主に支払っているため、成長するための投資に資金がなかなか回せないというデメリットがある。
つまり、配当性向が高い場合は、「今」配当利回りが高くても、業績が少し悪化するだけで現在の配当金を維持することが厳しくなる(=減配)可能性が高いので注意しましょう。
高配当株投資をする場合は、「配当利回り」に目が行きがちですが、安定的に配当金をもらい続けるためには「配当性向」の方が重要だったりします。
高配当株の『買い時7パターン』について解説
高配当株投資は、基本的には逆張り投資になります。
つまり、業績が好調で、財務も優良な企業の株価が『なにかの要因で大きく下落したタイミング』が絶好の買い場になります。
高配当株の『7パターンの買い時』
- 株価が大きく下落した時
- 権利落ち日で株価が下落した時
- ○○ショックなどの市場全体が暴落している時
- 業績は好調なのに企業価値が過小評価されている時
- 配当利回りが〇%以上になった時
- 規則性を分析してタイミングがきた時
- 機械的に決まったペースで購入する
それでは、順番に解説をしていきます。
株価が大きく下落した時
狙っている高配当株の株価が大きく下落した時こそ、ひとつの買い時です。
但し、株価が大きく下落した理由が、下記の理由である場合は注意する必要があります。
- 会社の決算で、「減配」や「業績悪化」が発表されて株価が下落した場合
- 企業が不祥事を起こして株価が下落した場合
- 会社が配当方針を変更したことによって株価が下落した場合
その中でも特に、「企業が不祥事を起こして株価が下落した場合」には注意が必要です。
上記のチャートは、アイアールジャパンHDという会社が、不祥事を起こした際の値動きとその後の株価推移になります。
不祥事の内容にもよりますが、「株主からの信用」「クライアントからの信用」「従業員からの信用」が傷ついた会社を立て直すには時間がかかるので、手を出さないのが無難です。
このため、株価が大きく下落した時はチャンスであるものの、『株価下落の理由は要チェック』と覚えておきましょう。
権利落ち日で株価が大きく下落した時
狙っている高配当株が権利落ち日で株価が大きく下落した時こそ、ひとつの買い時です。
それに対して、権利落ち前は高配当株の買い時とは言い難いです。理由としては、 権利落ち後にもらえる配当金額以上に株価が下落する可能性があるからです。
上記は高配当株投資家であれば一度は名前を聞いたことがあるであろう日本郵船のチャートです。(2023年1月16日時点での配当利回りは驚異の17.0%)
もらえる配当金は1株350円に対して、権利確定日翌日の株価の下落幅は終値ベースでマイナス470円となりました。
結果論ではありますが、もらえる配当金額よりも株価下落幅の方が大きいといった結果になりました。
すべての株に共通することわけではありませんが、権利確定後に株を手放す投資家が多いため、権利落ち前に高配当株を買うのはおすすめできません。
ですが、上記チャートを見ても分かる通り、権利落ち日に株価が大きく下落した時はひとつの買い時である可能性が高いです。
○○ショックなどの市場全体が暴落している時
狙っている高配当株が○○ショックなどの暴落で株価を大きく下げた時こそ、ひとつの買い時です。
最近の事例では、みなさん記憶に新しい『2020年3月のコロナショック』が挙げられます。
コロナショック時には、業績好調かつ財務優良な大企業でさえも軒並み株価は暴落。
株式市場全体が「売りが売りを呼ぶ」展開となり、業績への影響の有無に関わらずパニック売りが続出しました。

上記のチャートは、名実ともに日本No.1の企業であるトヨタ自動車のコロナショック時のチャートです。
あの世界のトヨタの株でさえも、コロナショック時には叩き売られました。
このように、株式市場がパニックになっている時こそ絶好の買い場であり、狙っている銘柄が「業績以上に叩き売られていないか?」を客観的に分析することが重要です。
値動きに逆らった動きをするには、「精神力」が求められるため、過去のデータを冷静に分析したうえで対応していきましょう。
業績は好調なのに企業価値が過小評価されている時
本業の業績が好調なのに、知名度が低かったり、他の企業と比べて事業が地味だったりとの理由から、過小評価されている企業を見つけた時は、ひとつの買い時です。

業績は好調なのに企業価値が過小評価されている銘柄を探す際の指標として、ボクが注目をしているポイントが以下の3点です。
- 業績が好調であること(大前提)
- PER / PBR といった割安度をはかる指標の推移
- 配当利回りの推移
はじめは難しく感じますが、これらの情報に目を通す習慣を作ると、投資成績が変わってきます。
ただ、経験を積むまでは必ず少額でコツコツと購入していくことをお勧めします。
配当利回りが〇%以上になった時
狙っている高配当株が、自分自身の求めている配当利回り以上になった時こそ、ひとつの買い時です。
目標としている配当利回りは、銘柄によっても、ポートフォリオ全体にしても、投資家それぞれ異なります。
KDDIの予想配当利回りの推移
上記は連続増配で有名なKDDIの過去1年間の予想配当利回りの推移です。
一時2.88%まで下がっていた配当利回りは、約1年ぶりに3.50%まで上昇をしました。(2023年1月17日時点)
このように、狙っている業績好調な高配当株が、自身の目標とする配当利回りに達した場合は、ひとつの買い時です。
上記に掲載してあるような、予想配当利回りの推移に関しては、ボクの知る限りでは「マネックス証券の銘柄スカウター」と「バフェットコード」というサイトでだけ確認ができます。
ちなみに、ボクのおすすめは圧倒的にマネックス証券の銘柄スカウターです。(最長5年間分確認ができる)
規則性を分析してタイミングがきた時
狙っている高配当株の規則性を分析して、そのタイミングがきた時こそ、ひとつの買い時です。
銘柄にもよりますが、ボクが規則性を分析する際に意識をしている点が下記の3点です。
- 移動平均線で規則的に反発をしているか。
- PBRの推移を見て、規則的に反発をしているか。
- テクニカル指標のRSIを見て、規則的に反発をしているか。
上記はボクの永久保有銘柄候補でもある伊藤忠商事のチャート推移です。
以前からチャートを分析している中でボクが感じている点としては、「75移動平均線で反発」「RSIが75以上で株価は下落」といった規則性があるように感じます。
このように、自身の狙っている銘柄の規則性の分析を行って、事前に買い時を検討しておきましょう。
機械的に決まったペースで購入する
最後に紹介をする買い時は、機械的に決まったペースで購入するということです。

と感じる方もいるかもしれませんが、これも立派な戦略です。
みなさんは、「ランダム・ウォーク理論」をご存知でしょうか?
金融商品の値動きには規則性が無く、過去の変動とは一切関係ないとする仮説。今後の値動きを予測するうえで過去の値動きは参考にならず、過去の値動きの変動をパターン化することで投資判断材料にするテクニカル分析の有効性を否定している。現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、株価の予測は不可能であるという学説の効率的市場仮説と密接に関連する。
ランダム・ウォーク理論を説明する上での有名なたとえとして「猿のダーツ投げ」があります。
猿のダーツ投げ
猿に新聞の相場欄を目がけてダーツを投げさせ、その銘柄をポートフォリオに組み込んだものと、専門家が選んだポートフォリオでは、さほど運用益に大差がなかった、とのたとえ。(売買のタイミングも同様)
ランダム・ウォーク理論については、名著「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理」が非常に有名で、是非一度は読んで頂きたい書籍です。
選ぶ銘柄さえ間違えなければ、タイミング問わずに「機械的に決まったペースで購入する」という買い方は戦略としてありだとボクは考えています。
【対策】高配当株の買い時が難しいと感じた場合
ここまで、高配当株の『買い時7パターン』について解説をしてきました。
とはいえ…

と感じている方もいるかと思います。
そんな方には以下の二つの対策がおすすめです。
- 単元未満株取引を活用する
- 米国高配当ETFを購入する
それでは、順番に解説をしていきます。
対策1:単元未満株取引を活用する
現在、日本株に1株(数百円~)から投資をできる単元未満株取引に対応した証券会社が増えてきています。
昔のように100株単位での株式投資しかできない場合だと、上記の『買い時7パターン』のように株価が下落している時に買い向かうのは勇気がいります。
ですが、単元未満株であればリスクを抑えるために、購入のタイミングを分散させて、1株ずつコツコツと買うことも可能です。

≫ 【現役FPも利用】単元未満株(ミニ株)におすすめの証券口座はこれだ!
対策2:米国高配当ETFを購入する
高配当株投資は以下の2つが揃ってはじめて成り立ちます。
- 銘柄選定:業績好調な高配当株を選ぶ
- 買い時を選ぶ:上記の『買い時7パターン』を探す
ここまで高配当株投資の買い時について学んだものの「自分には少し難しいな…。」と感じる方は、米国高配当ETFの購入を検討してみましょう。
米国高配当ETFの代表格は以下の3銘柄です。
米国高配当ETFの御三家(利回りは2023年1月18日時点)
- VYM(分配利回り:2.94%)
- HDV(分配利回り:3.58%)
- SPYD(分配利回り:4.78%)

ボク自身も実際に米国高配当ETFには投資をしていて、日本の高配当株とは違い、機械的に購入をし続けています!
よくある質問(Q&A)

という方のために、
ボクがよく頂く質問にまとめて回答をしていきます!
質問1:どうやって高配当銘柄を探せばいいですか?
ボクが最も活用している銘柄スクリーニングツールは『マネックス証券の銘柄スカウター』になります!
口座を開設している方限定で使える最強の無料銘柄分析ツールだとボクは思っています。
質問2:チャートは何を使って分析していますか?
ボクはTradingViewというチャート分析ツールを使用しています。
ちなみに、本記事内で紹介しているチャート画像も当サイトで作成したチャートです。

質問3:どこの口座で高配当株を買えばいいですか?
ご自身が今使用している証券口座で全く問題ないです。
ただ、「どこの口座を使おうか悩んでいる…。」という方もいるかと思います。
ちなみに、ボクは手数料を徹底比較した結果、
の2つの証券口座をそれぞれ目的別で使用しています!