日本エスコンの株の業績や配当金の推移ってどうなの?
日本エスコンの株に興味があるんだけど、今の株価は割安?
この記事は、元メガバンク出身の現役FPが、これまでに積んだ経験をもとに執筆しています。
多くの方の疑問への回答
- 日本エスコンの株は買い時だと思いますか?
-
結論、今は積極的には買いたいとは思いません。
その理由や詳細についてはこの記事で順を追って解説をしていきます!
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日本エスコンってどんな企業?
日本エスコンは、分譲マンションを中核に多角展開する不動産デベロッパーです。時価総額は約1,000億円の中型株。首都圏および関西圏から中部圏、九州圏、北海道圏に開発エリアを拡大。中部電力の連結子会社でもあります。
日本エスコンは何で稼いでいるのか?
それでは、日本エスコンが『何で稼いでいるのか?』適時開示資料をもとに簡単にまとめてみました。
こちらは、2022年12月期のセグメント別業績の資料です。
22年12月期の売上高に関しては、分譲事業がシェア58.9%で半分以上の割合を占めています。
ただ、セグメント別利益を見てみると、分譲事業以外と不動産賃貸の割合が増えており、分譲事業に比べて利益率が高いことが分かります。
過去のチャート推移
つぎに、日本エスコンの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
月足10年チャートの推移
こちらは、月足10年チャートです。
2014年5月の安値118円から株価は大きく上昇。ですが、2018年2月に直近高値の1063円をつけてからは600円から1000円のレンジで推移しています。
現在は徐々に直近高値に近づいてきており、ここをブレイク出来るか注目です。
みなさん気になる日本エスコンの株の買い時については後ほど解説をしていきます。
日本エスコンの業績は成長しているのか?
日本エスコンの『業績は成長しているのか?』把握をするために下記の2項目を確認していきます。
売上高の推移
- 売上高に関しては、綺麗な右肩上がりのグラフとなっており、2012年12月期から11期連続で増収。
- 営業利益に関しても、着実に増えてきており、前期の2022年12月期には過去最高益を更新しています。
利益率の推移
- 営業利益率に関しては、常に10%以上で推移しており、前期も15.6%と高水準。
- 当期利益率に関しては、13年12月期の14.1%をピークに右肩下がりとなっています。
ここで、同業種のライバル企業「サムティ」の利益率と比較してみましょう。
- 営業利益率:15.58%
- 当期利益率:7.29%
- 営業利益率:9.83%
- 当期利益率:5.19%
営業利益率、当期利益率ともに、日本エスコンの方が高く、同業種と比較をしてみても魅力的な利益率ということが分かります。
日本エスコンの株主還元は魅力的なのか?
日本エスコンの『株主還元は魅力的なのか?』把握をするために下記の3項目を確認していきます。
配当金の推移
- 配当金に関しては、右肩上がりで増え続けており、過去10年間での減配は一度もなし。
- 配当性向に関しては、緩やかに上昇をしてきており、前期の22年12月期には50.7%まで上昇しています。
1株当たり配当額を前年度の1株当たり配当額を下限とし、原則「減配なし、配当維持もしくは増配のみ」とする累進的配当政策を導入しています。
予想配当利回りの推移
予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、
- 最大値:7.28%
- 平均値:4.68%
- 最小値:3.42%
現在の予想配当利回りは3.89%で、平均値を下回っており、日本エスコンにしては少し物足りない利回り水準です。
自社株買いの推移
- 自社株買いに関しては、過去10年間中4期で実施。
- 総還元性向は、緩やかに上昇をしてきてはいるものの、10年平均では33.1%と余力は十分にあります。
総還元利回り
- 総還元利回りに関しては、徐々に上昇をしてきており、前期の22年12月期には4.76%と高還元。
- また、過去10年間での総還元利回りの平均値は4.04%と、魅力的な利回り水準かと思います。
株主優待
日本エスコンの株主優待は、1,000株以上(約98.8万円分)保有の株主に対して、「1,000円相当のクオカード」が贈呈されます。
日本エスコンが株主優待を廃止しない理由とは?
オリックスやJTを筆頭に、近年の株主優待廃止の理由を確認すると、「公平な利益還元のため」が占める割合が増加傾向にあります。
株主優待は、
- 大口の投資家にとってメリットが薄い
- 機関投資家や外国人投資家にとってメリットが薄い
などといった課題を抱えているとの指摘もあり、株主の平等性の観点から廃止する企業が増えてきています。
ただ、自社のサービスや商品を株主に優待として提供し、知ってもらう事で、売上が増加し、株価上昇へと繋がれば全ての投資家にとってメリットがあります。
その点、日本エスコンの提供している株主優待は、自社サービスを利用してもらう機会を提供する株主優待とは言えないものの、優待内容(金額)は大きすぎない内容ですので、株主優待を廃止する可能性は低いのかなと、ボクは考えています。
日本エスコンの現在の株価は割安なのか?
日本エスコンの『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために下記の3項目を確認していきます。
予想PERの推移
まずは、予想PERの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:11.8倍
- 平均値:8.3倍
- 最小値:4.2倍
現在の予想PERは11.8倍で、平均値を大きく上回っており、日本エスコンにしては割高なPER水準です。
実績PBRの推移
つづいて、実績PBRの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:2.37倍
- 平均値:1.44倍
- 最小値:1.07倍
現在の実績PBRは1.31倍で、平均値近辺での推移となっており、日本エスコンにしては平均的なPBR水準です。
理論株価
それでは最後に、今の株価が『理論的に割安なのかどうか』を確認しておきましょう。
日本エスコンの現在の株価(988円)に対して、
- PER基準(会社予想):920円
- PBR基準:992円
上記のような理論株価になっています。
こちらを見る限り、日本エスコンの現在の株価は理論株価近辺での推移となっており、妥当な株価水準と見てとれます。
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日本エスコンの株に対するよくあるQ&A
それでは、日本エスコンの株に対する『よくある質問』にお答えしていきます。
こちらの記事は、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方は企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
Q1 . 将来性のある企業ですか?
日本エスコンは将来性のある企業だと思いますか?
結論:個人的には「将来性のある」企業だと考えています。
ここで、日本エスコンの株価変動要因でもある「魅力」と「懸念材料」についてまとめておきます。
- 日本エスコンは中部電力の子会社の不動産デベロッパーです。
- 配当に関しては、過去10年間で減配は一度もなし。
- 配当方針に累進配当を掲げており、配当に下限が設定されている点は安心感があります。
- プロ野球チームの北海道日本ハムファイターズの本拠地(北海道エスコンフィールド)周辺の大規模開発にも取り組んでいます。
- 金利や地価、住宅関連の政策・税制の動向に伴う個人消費の浮沈が収益に悪影響を与える可能性も。
- 国内外の景気悪化や極端な不動産価格の高騰リスク、さらには日銀が金融政策を引き締めに転じる可能性も。
これらを踏まえた上で、ボクの個人的見解は…、
日本エスコンの株は、高配当株ポートフォリオの一角に組み込みたい銘柄のひとつです。
Q2 . 「今」って買い時ですか?
日本エスコンの株は「今」買い時だと思いますか?
結論:個人的には「今」は積極的に買いたいとは思いません。
ちなみに、
ボクは予想配当利回り5.0%をひとつの目安にしています!
※あくまでも個人の見解です。
日本エスコンの予想配当利回りが5.0%まで上がるためには、株価は960円まで下げる必要があります。
日本エスコンの株価は現在、直近高値を更新し続けており、購入するには比較的リスクの高い価格帯だとボクは考えています。
もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。
Q3 . 日本エスコンの株はどうやって買うんですか?
日本エスコンの株に興味があるんだけど、これら高配当株はどうやったら買えるんですか?
高配当株のお得な買い方の手順はこちらです。
- 手数料の安い証券会社に口座を開設する
- 開設した口座に入金する
- 銘柄を検索し、買付注文を入れる
- 購入完了
証券会社に口座を開設すると言っても、たくさんあり過ぎてどこが良いのか分からない…。
といった質問をよく頂きます。
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