大和ハウス工業の株価下落の要因について知りたい。
大和ハウス工業の将来性ってどうなの?
皆さんのこのようなお悩みにお応えし、
大和ハウス工業の、
- 業績は成長しているのか?
- 配当や株主優待は充実しているのか?
- 現在の株価は割安なのか?
といった3つの投資判断基準を中心に、皆さんが気になるであろう項目について解説をしていきます。
この記事は、元メガバンク出身の現役FPが、これまでに積んだ経験をもとに執筆しています。
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大和ハウス工業ってどんな企業?
大和ハウス工業は、国内最大手の住宅総合メーカーです。時価総額は約2.7兆円の大型株。住宅建築を中核に、物流施設・商業施設・医療介護施設等の建設・運営、開発を営んでいます。2020年米住宅会社のスタンレー・マーチン社を約200億円で買収するなどM&Aにも積極的です。
大和ハウス工業は何で稼いでいるのか?
それでは、大和ハウス工業が『何で稼いでいるのか?』適時開示資料をもとに簡単にまとめてみました。
こちらは、セグメント別業績に関する資料です。
2023年度の売上高に関しては、事業施設の売上高が約1.3兆円(全体の24.9%)と最も大きく、つぎに賃貸住宅、商業施設、戸建住宅と続きます。
2023年度の実績を見てみると、売上高、営業利益ともに、当初計画と修正計画の両方を上回ってきており、素晴らしい実績となっています。
こちらは、海外事業に関する資料です。
大和ハウスグループの海外売上高比率は13.6%と、米国・欧州といった先進国を中心に年々拡大してきていることが見て取れます。
また、2026年度までに売上高1兆円を目標に掲げており、このままのペースでいけば達成可能な数値であるように見えます。
こちらは、中期経営計画の進捗状況に関する資料です。
2023年度売上高は過去最高を更新し5兆円を突破、連結範囲変更の影響は出るものの、今期も増収の計画となっています。
大和ハウス工業の業績推移
それでは、大和ハウス工業の『業績は成長しているのか?』を把握するために、
- 売上高の推移
- 利益率の推移
上記の2項目について確認をしていきましょう。
売上高の推移
- 売上高に関しては、右肩上がりで伸びており、22年3月期から3期連続で過去最高を更新。
- 営業利益に関しても、着実に増え続けてはいるものの、前期は連結範囲変更の影響があり、減益といった結果になっています。
ですが、数理差異の影響を除けば、前期比6.8%増と好調に推移をしています。
最新の決算短信
- 前期24年3月期4Q終了時点で、売上高は前期比+6.0%、営業利益△5.4%、経常利益△6.2%、純利益△3.1%、進捗率は純利益で113.6%となっています。
- 配当に関しては、前期の1株143円から今期は1株145円に増配、増配率は1.4%です。
今期は前期から純利益20.7%減の計画となっており、ここからの上振れを期待していきたいところです。
利益率の推移
- 営業利益率に関しては、リーマンショック以降改善してきており、9%前後での推移が続いています。
- 当期利益率に関しても、5%から6%の間を推移しており、比較的安定して推移しています。
ここで、同業種のライバル企業「積水ハウス」の利益率と比較してみましょう。
- 営業利益率:8.46%
- 当期利益率:5.74%
- 営業利益率:8.72%
- 当期利益率:6.51%
営業利益率、当期利益率ともに、積水ハウスの方が若干高いものの、そこまでの違いはなく、問題のない利益水準かと思います。
大和ハウス工業の株主還元姿勢
つづいて、大和ハウス工業の『株主還元は魅力的なのか?』を把握するために、
- 配当金の推移
- 自社株買いの推移
- 株主優待
上記の3項目を確認していきましょう。
配当金の推移
- 配当金に関しては、右肩上がりで増え続けており、2011年3月期から14期連続増配中。
- 配当性向に関しては、かなり安定をしており、16年3月期以外は40%以下で推移と配当余力はまだまだあります。
配当性向は連結当期純利益の35%以上、かつ一株当たり配当金額の下限は145円として業績に連動した利益還元を行い、かつ安定的な配当の維持に努める方針。
予想配当利回りの推移
予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、
- 最大値:4.96%
- 平均値:3.65%
- 最小値:2.92%
現在の予想配当利回りは3.48%で、平均値近辺での推移となっており、大和ハウス工業にしては平均的な利回り水準です。
自社株買いの推移
- 自社株買いに関しては、過去10年間中5期で実施。
- 総還元性向は、大規模な自社株買いを実施した前期に60%近くまで上昇をするも、10年平均では39.1%と余力は十分にあります。
総還元利回り
- 総還元利回りに関しては、徐々に上昇をしてきており、前期の24年3月期には5.78%と高還元。
- また、過去10年間での総還元利回りの平均値は3.76%と、まずまずの利回り水準かと思います。
大和ハウス工業は14期連続増配中の銘柄で、配当だけではなく、自社株買いも積極的に実施しており、高配当株投資家にとっては魅力的な銘柄のひとつです。
株主優待
大和ハウス工業の株主優待は、100株以上(約41.7万円分)保有の株主に対して、「1,000円相当の自社優待券」が贈呈されます。
大和ハウス工業が株主優待を廃止しない理由とは?
オリックスやJTを筆頭に、近年の株主優待廃止の理由を確認すると、「公平な利益還元のため」が占める割合が増加傾向にあります。
株主優待は、
- 大口の投資家にとってメリットが薄い
- 機関投資家や外国人投資家にとってメリットが薄い
などといった課題を抱えているとの指摘もあり、株主の平等性の観点から廃止する企業が増えてきています。
ただ、自社のサービスや商品を株主に優待として提供し、知ってもらう事で、売上が増加し、株価上昇へと繋がれば全ての投資家にとってメリットがあります。
その点、大和ハウス工業の提供している株主優待は、自社サービスを利用してもらう機会を提供する株主優待となっており、優待内容(金額)も大きすぎない内容ですので、株主優待を廃止する可能性は低いのかなと、ボクは考えています。
大和ハウス工業の株に対するQ&A
それでは、大和ハウス工業の株に対する『よくある質問』にお答えしていきます。
こちらの記事は、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方は企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
大和ハウス工業は将来性のある企業ですか?
大和ハウス工業は将来性のある企業だと思いますか?
結論:個人的には「将来性のある」企業だと考えています。
- 大和ハウス工業は国内最大手の住宅総合メーカーとして国内外で業績を伸ばし続けている企業です。
- 配当に関しては、14期連続で増配中で配当性向も30%前後と余力も十分。
- 中期経営計画において、4年後の2026年度に売上高5.5兆円(23年3月実績から12%増)純利益3400億円(同10%増)の計画。
- 海外事業の伸びしろが大きく、米国事業は前期の厳しい環境下でも順調に事業を拡大。
- 中国事業は政府がゼロコロナ政策を掲げる中、マンションの引き渡しは順調に進捗し計画を上回る実績を達成、4年後には倍以上の売上を計画しています。
- 金利や地価、住宅関連の政策・税制の動向に伴う個人消費の浮沈が収益に悪影響を与える可能性も。
- 国内外の景気悪化や極端な不動産価格の高騰リスク、さらには日銀が金融政策を引き締めに転じる可能性も。
これらを踏まえた上で、ボクの個人的見解は…、
大和ハウス工業の株は、高配当株ポートフォリオから外すことの出来ないエース級の銘柄です。
大和ハウス工業の株は「今」買い時ですか?
それでは、大和ハウス工業の株価が「どのような値動きをしているのか」確認していきましょう。
こちらは、週足5年チャートです。
2020年3月頃のコロナショックの影響もあり、株価は一時2230円まで下落。そこから株価は上昇し、2024年1月には上場来高値の4718円を記録しています。
ですが、2024年度の決算予想が嫌気され、株価は決算以降に急落をしています。
個人的には、予想配当利回り4.0%(株価3,625円)をひとつの購入目安としています。
※あくまでも個人の見解です。
もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。
大和ハウス工業の株はどうやって買うんですか?
大和ハウス工業の株に興味が出てきたので、お得な買い方があれば教えてほしい…。
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