6184｜鎌倉新書の株価はなぜ低迷しているのか？

この記事では、

1. 業績は成長しているのか？
2. 収益源はなんなのか？
3. 株主還元は充実しているのか？

といった3つの投資判断基準を中心に、皆さんが気になるであろう項目について解説をしていきます。

企業の概要について

チャート推移

こちらは、鎌倉新書の週足5年チャートです。

鎌倉新書の株価は、2019年12月に上場来高値をつけてからは右肩下がりで推移。24年8月には1株348円まで下げましたが、好決算を背景に反発の兆しを見せてきています。現在は、節目の500円前後での推移が続いており、安値を切り上げ、上昇へと転じることが出来るのか注目です。

セグメント別業績

こちらは、セグメント別業績に関する資料です。

• 24年1月期の売上高に関しては、お墓・仏壇セグメントが全体の41%と半分近くを占めています。また、全セグメントで前期比プラスとなっており、その中でも官民セグメントが前期は最も伸びました。

こちらは、鎌倉新書の稼ぎ頭、お墓・仏壇セグメントに関する資料です。

• 売上高の四半期推移を見るに、緩やかではあるものの、着実に伸びていることが見て取れます。その要因としては、こちらに書いてある通り、UI/UXの改善、お客様センターの生産性向上が挙げられています。

業績の推移

こちらは、売上高・営業利益に関する資料です。

• 売上高に関しては、右肩上がりで伸び続けており、15年1月期と比較すると6倍超にまで成長。
• 営業利益に関しては、コロナ禍で大きく減益となるも、前期の24年1月期には過去最高益を4期ぶりに更新しました。

四半期純利益の推移

こちらは、四半期純利益に関する資料です。

• 今期の進捗率は3Q終了時点で45.6%
• 進捗率はかなり遅れているものの、ここまでの業績は過去最高益を更新した前期を1Q、2Q、3Qすべてで上回っており、かなり順調に推移していることが見て取れます。今期の最高益更新は問題ないかと思いますが、通期計画にどこまで迫ることが出来るのか、個人的には注目しています。

配当金の推移

こちらは、配当金・配当性向に関する資料です。

• 配当金に関しては、2022年1月期から4期連続増配中。
• 配当性向に関しては、ここ数年20%前後での推移が続いていたものの、今期から大きく上昇する計画です。

自社株買いの推移

こちらは、自社株買い総額、配当総額、総還元性向に関する資料です。

• 自社株買いに関しては、過去10年間中3期で実施。
• 総還元性向は、自社株買いを実施したこの3年間すべて100%を超えてはいるものの、10年平均では62.3%と余力はまだあります。

総還元利回りの推移

こちらは、実績配当利回り、総還元利回りに関する資料です。

• 総還元利回りに関しては、自社株買いを実施したこの3年間、大きく上昇をしたものの、それでも前期は2.23%。
• また、過去10年間での総還元利回りの平均値は0.74%、現在の予想配当利回りは3.84%で、配当利回りの10年平均0.24%を大きく上回ってきています。

読者の方からよくあるQ&A

Q. 鎌倉新書の株価はなぜ低迷しているのか？

冒頭のチャートを見て頂くと分かる通り、鎌倉新書の株価は下落トレンドで推移しています。

これらの要因は主に下記の2つの要因が考えられます。

特に、株価の水準訂正といった側面は強いように感じており、少し前まではPERが100倍を超えていて、市場の期待に沿った成長が見られなかったことで株価は大きく下げてきています。

やっとPERも20倍前後まで下げてきて、ここから反転していくことが出来るのか注目です。