ゆうちょ銀行の株は買うべきか知りたい。
ゆうちょ銀行の株主優待って廃止されるの?
皆さんのこのようなお悩みにお応えし、
ゆうちょ銀行の、
- 業績は成長しているのか?
- 配当や株主優待は充実しているのか?
- 現在の株価は割安なのか?
といった3つの投資判断基準を中心に、皆さんが気になるであろう項目について解説をしていきます。
- ゆうちょ銀行はどんな会社なのか?
- ゆうちょ銀行の株主優待は廃止されるのか?
- ゆうちょ銀行の将来性について
- ゆうちょ銀行は「今」買い時なのか?
- ゆうちょ銀行のお得な買い方とは?
この記事は、元メガバンク出身の高配当株マニアが執筆しました。
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ゆうちょ銀行ってどんな企業?
ゆうちょ銀行は、日本郵政グループの銀行子会社で総資産国内4位の巨大銀行です。時価総額は約5.9兆円の大型株。預金額は国内1位の194兆円で、窓口業務は全国2万4千カ所、ATMの設置数も国内トップの3万2千台と日本を代表する銀行のひとつです。
ゆうちょ銀行は何で稼いでいるのか?
それでは、ゆうちょ銀行が『何で稼いでいるのか?』適時開示資料をもとに簡単にまとめてみました。
ゆうちょ銀行の連結粗利益約1兆円のうち、7,851億円と8割近くを占めている資金利益ですが、前期の2022年度は海外金利上昇に伴う外貨調達コストの増加などにより、資金利益は減少。
利鞘に関しても前年度の0.52%から大きく下げ、過去5年間で最も低い0.34%となっています。
資金利益の次に大きな割合を占めている役務取引ですが、2022年度は前期比プラス189億円の1463億円。この中でも特にATM関連手数料がプラス101億円と大きく伸びています。
ただ、投資信託の取扱状況を見てみると、販売件数・販売額ともに伸びている中、純資産残高は大きく減少。この相場環境の中、投信の純資産残高減はかなり厳しい状況かと思います。
ゆうちょ銀行の業績推移
それでは、ゆうちょ銀行の『業績は成長しているのか?』を把握するために、
- 売上高の推移
- 利益率の推移
上記の2項目について確認をしていきましょう。
売上高の推移
- 売上高に関しては、この10年間2兆円前後での推移とほぼ横ばい。
- 経常利益に関しては、ピーク時からは若干下げてきています。
最新の決算短信
- 今期24年3月期3Q時点で、経常収益は前期比+24.7%、経常利益+6.6%、当期利益+6.4%、進捗率は当期利益で78.6%となっています。
- 配当に関しては、前期と同じ1株50円の予想となっています。
今期は前期から純利益+3.1%の計画を掲げており、ここまでは順調に推移、本決算での上振れも期待したいところです。
利益率の推移
- 経常利益率に関しては、15年3月期に過去10年間で最も高い27.4%を記録も、その後は緩やかに下落傾向。
- 当期利益率に関しては、22年3月期に18.0%、前期は15.7%と比較的高水準を維持しています。
ここで、同業種のライバル企業「みずほFG」の利益率と比較してみましょう。
- 経常利益率:22.07%
- 当期利益率:15.75%
- 経常利益率:13.66%
- 当期利益率:9.61%
経常利益率、当期利益率ともに、3大メガバンクの一角みずほFGを上回っており、魅力的な利益率ということが分かります。
ゆうちょ銀行の株主還元姿勢
つづいて、ゆうちょ銀行の『株主還元は魅力的なのか?』を把握するために、
- 配当金の推移
- 自社株買いの推移
- 株主優待
上記の3項目を確認していきましょう。
配当金の推移
- 配当金に関しては、17年3月期に1株50円に増配をしてからは横ばいでの推移。
- 配当性向に関しては、緩やかに下げてきており、前期は56.4%と余力は十分にあります。
内部留保の充実に留意しつつ、資本効率を意識し、着実な株主への利益還元を実現するため、2026年3月期末までの間は安定的な1株当たり50円の年間配当を目指す方針。
予想配当利回りの推移
予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、
- 最大値:6.08%
- 平均値:4.56%
- 最小値:3.05%
現在の予想配当利回りは3.08%で、平均値を大きく下回っており、ゆうちょ銀行にしては物足りない利回り水準です。
自社株買いの推移
- 自社株買いに関しては、過去10年間中1期のみで実施。
- 総還元性向は、大規模な自社株買いを実施した前期には100%を超える還元を見せています。
総還元利回り
- 総還元利回りに関しては、徐々に上昇をしてきており、前期の23年3月期には8.34%と高還元。
- また、過去10年間での総還元利回りの平均値は4.05%と、魅力的な利回り水準かと思います。
株主優待
ゆうちょ銀行の株主優待は、500株以上(約81.2万円分)保有の株主に対して、「3,000円相当のオリジナルカタログギフト」が贈呈されます。
ゆうちょ銀行が株主優待を廃止しない理由とは?
オリックスやJTを筆頭に、近年の株主優待廃止の理由を確認すると、「公平な利益還元のため」が占める割合が増加傾向にあります。
株主優待は、
- 大口の投資家にとってメリットが薄い
- 機関投資家や外国人投資家にとってメリットが薄い
などといった課題を抱えているとの指摘もあり、株主の平等性の観点から廃止する企業が増えてきています。
ただ、自社のサービスや商品を株主に優待として提供し、知ってもらう事で、売上が増加し、株価上昇へと繋がれば全ての投資家にとってメリットがあります。
その点、ゆうちょ銀行の提供している株主優待は、自社サービスを利用してもらう機会を提供する株主優待とは言えないものの、優待内容(金額)は大きすぎない内容ですので、株主優待を廃止する可能性は低いのかなと、ボクは考えています。
ゆうちょ銀行の株は割安なのか?
つづいて、ゆうちょ銀行の『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために、
- 予想PERの推移
- 実績PBRの推移
- 理論株価
上記の3項目を確認していきしょう。
予想PERの推移
まずは、予想PERの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:19.6倍
- 平均値:13.7倍
- 最小値:9.3倍
現在の予想PERは17.6倍で、平均値を上回っており、ゆうちょ銀行にしては比較的割高なPER水準です。
実績PBRの推移
つづいて、実績PBRの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:0.62倍
- 平均値:0.38倍
- 最小値:0.28倍
現在の実績PBRは0.62倍で、平均値を上回っており、ゆうちょ銀行にしてはやや割高なPBR水準です。
理論株価
それでは最後に、今の株価が『理論的に割安なのかどうか』を確認しておきましょう。
ゆうちょ銀行の現在の株価(1,625円)に対して、
- PER基準(会社予想):1,484円
- PER基準(アナリスト予想):1,514円
- PBR基準:1,551円
上記のような理論株価になっています。
こちらを見る限り、ゆうちょ銀行の現在の株価は全ての理論株価を上回っており、比較的割高感のある株価水準と見てとれます。
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ゆうちょ銀行の株に対するQ&A
それでは、ゆうちょ銀行の株に対する『よくある質問』にお答えしていきます。
こちらの記事は、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方は企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
Q. ゆうちょ銀行は将来性のある企業ですか?
ゆうちょ銀行は将来性のある企業だと思いますか?
結論:個人的には「将来性の乏しい」企業だと考えています。
ここで、ゆうちょ銀行の株価変動要因でもある「魅力」と「懸念材料」についてまとめておきます。
- ゆうちょ銀行は預金額国内1位(194兆円)の日本郵政グループの銀行子会社です。
- 配当に関しては、26年3月期まで1株50円の計画で、過去10年間で減配は一度もありません。
- 含み益ある株式を大量放出しており、ATM手数料の伸びで経常利益は復調気味。
- 長短金利の変動は業績および財政状態や業績に影響を及ぼす可能性も。
- ゆうちょ銀行は運用の多様化の一環として国際分散投資を進めており、外貨建て資産の一部は為替変動の影響を受ける可能性も。
これらを踏まえた上で、ボクの個人的見解は…、
ゆうちょ銀行の株は、割安感のある株価水準であれば高配当株ポートフォリオの一角に組み込みたい銘柄です。
Q. ゆうちょ銀行の株は「今」買い時ですか?
それでは、ゆうちょ銀行の株価が「どのような値動きをしているのか」確認していきましょう。
こちらは、週足5年チャートです。
2023年の中旬以降から株価は大きく上昇。現在は直近の高値を更新し続けており、上場来高値に迫る勢いで株価を伸ばしています。
個人的には、予想配当利回り3.5%(株価1430円)をひとつの目安としており、押し目で株価を下げてくるまで様子を見たいと考えています。
※あくまでも個人の見解です。
もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。
Q. ゆうちょ銀行の株はどうやって買うんですか?
ゆうちょ銀行の株に興味が出てきたので、お得な買い方があれば教えてほしい…。
高配当株のお得な買い方の手順はこちらです。
- 手数料の安い証券会社に口座を開設する
- 開設した口座に入金する
- 銘柄を検索し、買付注文を入れる
- 購入完了
証券会社に口座を開設すると言っても、たくさんあり過ぎてどこが良いのか分からない…。
といった質問をよく頂きます。
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