株主優待を廃止する企業が増えているけど、今後どうしたら良いんだろう…?
各企業の株主優待廃止の理由は「なぜなのか?」分かりやすく教えてほしい…。
こういった疑問や悩みを抱え、優待投資に対する不安を抱えている方のために、株主優待廃止の流れの理由についてと、その対策をお伝えしていきます。
上記の内容について、投資を始めたばかりの方でも超分かりやすく学ぶことが出来ます。
その結果として、
優待投資をする上での注意すべきポイントを知ることが出来た!
株主優待以外の、株主還元を実施している企業への投資を検討したい!
そんな風に、皆さんに感じて頂けるかと思います。
この記事は、元メガバンク出身の現役FPが、これまでに積んだ経験をもとに執筆しています。
この記事を最後まで読むことで、株式投資への理解を深めることができ、人生を「今」よりも豊かにしていくことに繋がるかと思います!
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株主優待とは?
株主優待とは、一定数以上の株式を保有する株主に対して、各企業が提供する様々な優待のことを指します。
主な優待品としては、
- 自社商品や自社の割引券
- 自社の運営するサービスへの招待券
- 自社の事業とは直接的に関係のないクオカードやカタログギフト
などが実際にあります。
各企業は、優待品の準備・発送等の負担はかかるものの、長期保有個人株主の増加、自社商品の広告宣伝効果などを期待して優待を実施するケースが多いです。
各証券会社や株式投資サイトでも、「株主優待の内容」や「最低投資金額」などから企業を検索する為のツールを提供するなど、株主優待は個人投資家にとって投資先選定の重要な要因の一つとなっています。
株主優待は「なぜ」廃止の流れなのか?
今まで個人投資家に大人気だったオリックスのカタログ優待を筆頭に、JTやマルハニチロ、丸井グループなど、個人投資家に人気の株主優待が続々と廃止されていっています。
※優待廃止企業数は現在、リーマンショック以来の高水準。
下記の図は、各企業が実際にどのような理由で株主優待を廃止しているのかを確認するための「廃止理由の推移」になります。
- 公正な利益還元のため
- 経営不振・上場廃止のため
- 東証プライム市場への上場基準が変更されたため
上場廃止による優待の廃止を除くと、過去4年間(2019~2022 年)は「公平な利益還元のため」が「経営不振のため」を上回っており、「公平な利益還元のため」が占める割合は増加し続けています。
1. 公正な利益還元のため
株主優待廃止の理由の一つ目は、「公正な利益還元のため」といった理由が挙げられます。
そもそも、会社法109条において「株主平等の原則」が規定されている上に、2015年から適用が開始されたコーポレートガバナンスコードでも、基本原則 に「上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべき」と明記されています。
この株主間の平等性について考えてみると、
- 機関投資家や外国人株主など、株主優待のメリットの享受が難しい株主が存在
- 株主優待を受ける権利が厳密に持株数に比例しているわけではない
などといった点から、株主の実質的な平等性が損なわれているとの見方があります。
株主優待廃止のための無難な「言い訳」として「公平な利益還元のため」といった理由が挙げられている可能性もありますが、上記図の2022年9月時の調査では、廃止の半数以上がこの理由で占められるなど、株主間の平等性の確保は重要な課題になっていることが分かります。
2. 経営不振・上場廃止のため
株主優待廃止の理由の二つ目は、「経営不振・上場廃止のため」といった理由が挙げられます。
これは、最もシンプルな理由で、株主優待を提供するためには経費(コスト)がかかります。その為、企業経営が上手くいって利益を出している企業でなければ、株主優待を出し続けることはできません。
実際に上記の図を見ても、
- 上場廃止
- 経営不振
といった理由で、株主優待を廃止ににしている企業は多く存在しています。
ですので、投資先を選定する際には、株主優待の内容だけではなく、必ず業績を確認してから投資をするように注意しましょう。
3. 東証プライム市場への上場基準が変更されたため
株主優待廃止の理由の三つ目は、「東証プライム市場への上場基準が変更されたため」といった理由が挙げられます。
2022年4月、東京証券取引所の市場再編が行われました。
この市場再編において、上場基準における「株主数」要件が変更されたことで、株主優待の廃止を加速させたとの見解も広がっています。
プライム市場における上場維持基準株主数(800 人以上)が、従来の東京証券取引所(東証)市場第一部から第二部への指定替え基準(2,000 人以上)を大幅に下回ったことで、上場企業の個人株主確保のメリットが低下した可能性が高いです。
上場維持基準株主数が2,000人以上⇒800人以上へと大きく減少したことで、株主優待を廃止したとしても、プライム市場への上場を維持することができる企業が株主優待を廃止していっているとの見解もあります。
このように、株主優待の動向を取り巻く外部環境は複雑になってきています。
株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴とは?
株主優待を狙って株を保有していたにも関わらず、株主優待が廃止してしまっては元も子もありません。
しかも、株主優待の廃止発表の後には株価が急落するケースが非常に多いため、優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴については把握しておく必要があります。
ボクが考える株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴は下記の4点です。
- 優待内容がクオカードなどの金券類
- 優待内容がカタログギフト
- 優待利回りが1%以上と高めに設定
- 個人株主が増えすぎた企業は要注意!?
それでは、順番に解説をしていきます。
1. 優待内容がクオカードなどの金券類
株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴の一つ目が、優待内容がクオカードなどの金券類の銘柄です。
クオカードの贈呈は現金に近い性質の株主優待です。導入をしやすい半面、廃止もしやすいといった特徴があります。
実際に、過去の株主優待の廃止事例を見てみると、クオカードを贈呈していた企業が断トツで多い結果となっています。
個人的には、クオカードやギフトカード、商品券といった株主優待を贈呈している企業は、その資金を配当に振り替えた方が投資家にとっても企業にとってもメリットが大きいかと思います。
2. 優待内容がカタログギフト
株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴の二つ目が、優待内容がカタログギフトの銘柄です。
カタログギフトは株主にとっては大好評の株主優待でも、実施企業にとっては負担が大きい株主優待の代表格です。
株主にカタログを送付して、注文を受け付け、発送の手配までしなければならず、手間とコストがかかります。
株主数の多い企業であれば今後廃止を検討する企業が出てもおかしくありません。
また、クオカードなどの金券類と同様に、選択できる商品が決まっているカタログギフトよりも、その資金を配当に振り替えてくれる方が投資家にとってはメリットが大きいかと思います。
3. 優待利回りが1%以上と高めに設定
株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴の三つ目が、優待利回りが1%以上と高めに設定している銘柄です。
前述の通り、「公正な利益還元」といった観点から見ると、優待利回りが高い銘柄に関しては、「公正な利益還元」とは言えない可能性が高いです。
国内の個人投資家であれば問題はないですが、機関投資家や外国人投資家といった株主優待のメリットを享受しづらい株主の立場から考えると、高すぎる優待利回りは公正、平等とは言えないかと思います。
ですので、優待の中身も重要ですが、優待利回りもとても重要な要素のひとつです。
4. 個人株主が増えすぎた企業は要注意!?
株主優待廃止の可能性が高い銘柄の特徴の四つ目が、個人株主が増えすぎた銘柄です。
カタログ優待廃止で大きな話題となったオリックスの場合、株主優待の人気により株主数が2020年3月期の約60万人から、2022年3月期には約78万人と2年間で約18万人(約30%)も急増しています。
当然ではありますが、株主が増えれば増えるほど、株主優待の負担は増加します。手間だけではなく、コストも増える一方ですので個人株主の人数は毎期チェックをしておきたいところです。
【対策】株主優待以外の株主還元に注目すべき!
それでは、株主優待廃止のリスクについて学んだところで、対策について解説をしていきます。
様々な対策がありますが、最も重要な対策が、「株主優待以外の株主還元に注目」をすることです。
主な例として、
- 配当といった株主還元
- 自社株買いといった株主還元
の二つがあげられます。
ちなみに、ボクが最も注力をしているのが、高配当株投資で、配当金として現金で受け取ることが出来るので、株主優待よりも使い勝手が良いです。
この株主優待廃止の流れを受けて、優待投資 ⇒ 高配当株投資へシフトしていく投資家が徐々に増えてきています。
まとめ:株主優待だけを目的にするのは危険
はい、いかがでしたでしょうか?
今回の記事の内容がこちらです。
株式投資をする上で、株主優待をもらうことだけを目的にして投資をするのはとてもリスクが高いです。
業績や財務状況、配当金の推移までしっかりと確認をした上で、投資をしていきましょう。
加えて、株主優待だけではなく、配当金として株主還元を受け取ることも視野に入れて投資をしていくべきかと思います。