この記事はこんな方におすすめ!
- アステラス製薬の株に興味がある…。
- アステラス製薬の業績や配当金の推移は良好…?
- アステラス製薬の特徴や強みを知りたい…。

今回は、アステラス製薬の株の買い時について分析し、業績や優待内容、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
記事前半ではアステラス製薬の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『アステラス製薬に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの独断と偏見が含まれた個人の見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
動画で見たい方はこちら
参考好業績なのに、1カ月で10%超下落した高配当株を3銘柄紹介!
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準からアステラス製薬の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年1月17日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
アステラス製薬ってどんな企業?
アステラス製薬のことをよく知らない…という方のために、『アステラス製薬がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。
【4503】アステラス製薬の公式HP
企業概要
アステラス製薬は、2005年に山之内製薬が藤沢薬品工業を吸収合併し現社名に。排尿障害治療薬「ハルナール」や免疫抑制剤「プログラフ」が米国特許切れによって後発品の蚕食を受けたが、業績は大手でいち早く最悪期を脱出。過活動膀胱治療薬「ベシケア」に次ぐ主力製品として「ベタニス」発売。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」がグローバル製品として成長中。糖尿病薬の開発も継続。市販薬事業は第一三共に売却し、医療用医薬品に特化。疾患領域を定めた研究開発体制に移行し、開発費用を集中的に投下。
各種指標
アステラス製薬の各種指標を確認していきましょう。
- 時価総額は第一三共、武田薬品工業に見劣りするも、自己資本比率は非常に高い。
- 経営効率をはかる指標のひとつのROE/ROAは、同業2社を上回った水準。
- 割安度合いをはかる指標の予想PER/実績PBRは、第一三共が抜けている。
- 配当利回りは、今期予想では3%超と、武田薬品工業に次ぐ利回り水準。
チャート推移
アステラス製薬の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
週足チャート
- 週足チャートで見ると、1400円から2000円のレンジでの推移が続く。
- コロナショック以降は緩やかな上昇トレンドを形成。
- 一時レンジを上にブレイクしたようにも見えたが、その後株価は下落。
⇒再度レンジ内での値動きになりそう。
業績の推移
アステラス製薬の過去10年間の業績の推移がこちらです。
- 売上高は2015年3月期以降はほぼ横ばいで推移。今期は2016年3月期に記録した過去最高売上高を更新する予想。
- 営業利益率、純利益率はコロナショック以降落ち込むも、10%前後は維持。
- 過去10年間での成長率は、売上高は33.7%増、営業利益は18.4%増とほぼ横ばいでの推移。
- 海外売上高比率は米国の割合が最も大きく42.0%、日本の割合は20.8%と、海外売上高比率は約8割。
主要な取扱商品の一覧
アステラス製薬が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。
- アステラス製薬は医薬品事業の専業で単一事業セグメント。
今期進捗状況
アステラス製薬の過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。
- 今期目標に対して、2Q終了時点で残り54.9%と進捗はイマイチ。
⇒ただ、今期経常利益の目標は前期比+70.2%に設定と非常に高い。 - 1Qは前期比-11.6%、2Qは前期比+66.7%と好調。
- 前期、前々期と3Qに最も高い経常利益を上げているので、次回決算に注目。
キャッシュフローの推移
アステラス製薬の過去5年間のキャッシュフローの推移がこちらです。
- 営業CF、フリーCFは、軒並みプラスで推移しており良好。
- 現金・現金等価物は横ばいで推移と問題なし。
- 営業CFMは前期は19.9%と高く、素晴らしい水準。
財務状況の推移
アステラス製薬の過去10年間の財務状況の推移がこちらです。
- 総資産、自己資本は右肩上がりで増加、有利子負債は2020年3月期に大きく増えるも、その後着実に減少。
- 自己資本比率は悪化傾向も、常に60%超は維持しており良好な財務状況。
- 資産の割合は固定資産の方が流動資産よりも多く、無形固定資産が約4割と最も多い。
従業員数と生産性の推移
アステラス製薬の従業員数と生産性の推移がこちらです。
- 従業員数は2017年3月期から毎年減り続ける。
- 生産性を表す1人当たりの純利益は2015年3月期から1000万円近辺での推移が続く。
- 経営効率をあらわすROE/ROAは2019年3月期をピークに下落基調も、財務レバレッジは2倍以下で推移と問題はなし。
配当金と自己株式取得の推移
アステラス製薬の過去10年間の配当金と自己株式取得の推移がこちらです。
- アステラス製薬は2013年3月期から10期連続で増配中。
⇒配当性向は常に100%以下で推移しており、10年間の平均は45.0%と配当余力は十分。 - 過去5年間での増配率は、+47.1%と着実に増配。
- 自己株式取得に関しては、過去10年間中9期で実施。
⇒過去10年間での総還元性向は93.3%。 - 総還元利回りは、7%を超えている年度もあり、10年間での平均は4.51%。
配当方針に関して
連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努める方針。
株主優待
アステラス製薬は株主優待はありません。
現在の株価は割安なのか?
アステラス製薬の現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- PERの推移(過去5年間)
- PBRの推移(過去5年間)
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
PERの推移(過去5年間)
アステラス製薬の過去5年間の予想PERの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもやや低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は22.4倍、平均値は17.2倍、最小値は13.0倍。
- 現在の予想PERの水準は過去5年間の平均値をやや下回っており、平均値近辺での推移。
PBRの推移(過去5年間)
アステラス製薬の過去5年間の実績PBRの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもかなり低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は3.09倍、平均値は2.45倍、最小値は2.00倍。
- 現在の実績PBRの水準は過去5年間の平均値を大きく下回っており、コロナショック後に記録した最小値に迫る。
配当利回りの推移(過去5年間)
アステラス製薬の過去5年間の予想配当利回りの推移がこちらです。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は3.20%、平均値は2.52%、最小値は1.89%。
- コロナショック以降着実に増配をしており、配当利回りは緩やかに上昇。
- 現在の配当利回りの水準は過去5年間の平均値を大きく上回っており、最大値を更新中。
目標株価 / アナリストの評価
アステラス製薬の目標株価 / アナリストの評価がこちらです。
アナリストはアステラス製薬に対して『買い』の評価をしており、目標株価の平均値は『現在の株価から+33.98%の2,580.5円』となっています。
テクニカル指標の状況
アステラス製薬のテクニカル指標の状況がこちらです。
One-Pointメモ
日足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『強い売り』で、総合的には『売り』となっています。もう少し長い軸で見る週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『売り』で、総合的には『売り』となっています。
アステラス製薬の株価が下落する理由
アステラス製薬は、無借金経営で製薬業界の優等生と言われているにも関わらず、株価は伸び悩み、節目の2000円で株価は下落する傾向にあります。
過去の業績の推移を見ても、売上高は横ばいで推移しており、ほとんど増えていません。
相次ぐ主力製薬の特許切れが下落の理由か
この最大の理由として、相次ぐ主力製薬の特許切れが業績低迷、株価下落の理由として挙げられています。
- 2020年3月期はOAB治療剤、抗がん剤の独占販売期間満了
- 2021年3月期は欧州での過活動ぼうこう治療剤の独占販売期間の満了
- 2022年3月期は高コレステロール血症治療剤の販売契約終了
また、アステラス製薬のCEO安川氏は2021年5月26日の決算説明会で、アステラス製薬に対する「資本市場からの3つの懸念点」について言及をしました。
- 抗がん剤「XTANDI」(国内製品名・イクスタンジ)のパテントクリフを埋める製品があるかどうか
- パイプラインの価値。特に「フォーカスエリア・アプローチ」から後期開発品が生み出されるかどうか
- 利益率。特に販売管理費に削減余地はないのか
このように、株価低迷の理由を述べており、今後のアステラス製薬の課題についてアステラス製薬のCEO自らが述べていました。
個人的見解
アステラス製薬についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績はほぼ横ばいで推移しており、今期は過去最高の売上高を更新する予想。
- キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに軒並みプラスで推移しており良好。
⇒営業CFMは約20%と素晴らしい水準。 - 財務状況は自己資本比率は常に60%超と優良。
- 生産性は1人当たり純利益1000万円前後で推移と良好。
- 株主還元は10期連続増配中。
⇒自己株式取得は過去10年間中9期で実施と高い株主還元率。 - 割安性は過去5年間で見ると、比較的割安な水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解はアステラス製薬は業績好調な高配当株の一つで、予想配当利回りは過去5年間で最高水準と非常に魅力的な利回り水準という見解です。
株価は節目の2000円を下にブレイクしてきており、どこまで下げるか注視したいところ。

注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
さいごに
高配当株投資家の最終的な目標は、『夢の配当金生活』を送ることかと思います。
その目標を達成するために身につけるべき力が以下の3つです。
- 銘柄を選定する力
- 売買タイミングを見極める力
- 入金力
この3つの力を鍛えることによって、『夢の配当金生活』に近づくことができるとボクは考えています。
僕が実践している資産形成戦略について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
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