中型株

全国保証の株価下落の理由は?|業績や配当金の推移から今後の買い時を徹底分析

2023年2月10日

この記事はこんな方におすすめ!

  • 全国保証の株に興味がある…。
  • 全国保証の業績や配当金の推移は良好…?
  • 全国保証の特徴や強みを知りたい…。
全国保証の株に興味があるんだけど、今の株価は割安?それとも割高?

今回は、全国保証の株の買い時について分析し、業績や財務、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!

この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。

この記事の内容は…

前半では全国保証の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!

※『全国保証の株価下落の理由が気になる!』という方は、【全国保証の株価下落の理由とは】からご覧ください!

注意事項

本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの個人的な見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。

動画で見たい方はこちら

参考期末一括配当!3月決算の高配当株はこの3銘柄

高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準

投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。

ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。

上記6つの投資判断基準から全国保証の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。

前提条件として…

こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年2月7日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。

全国保証ってどんな企業?

全国保証のことをよく知らない…という方のために、『全国保証がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

  • 全国保証は、独立系の住宅ローン信用保証会社。
  • 信用金庫や銀行などが実行する住宅ローンを中心に、債務者に対する連帯保証を引き受け、その対価として保証料と事務手数料を徴収するビジネスモデルを展開。
  • 23年3月期前半では、新規保証の実行が停滞。有力地銀や信金へ営業深耕で追い込むも想定未達。

週足チャートの推移

全国保証の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

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  • 週足チャートで見ると、コロナショック時に直近安値の2719円をつけるも、その後すぐに反発し株価は上昇。
  • 2021年の9月頃に上場来高値の5880円を記録。
    1年半で株価は2倍にまで上昇。
  • その後、株価は下落トレンドで推移も、最近の株価は反転し上昇。
    ⇒現在は節目の5000円で揉み合い。
  • テクニカル指標のRSIを見ると、RSIが30にタッチしたところで株価は反発をする傾向。

業績の推移

全国保証の『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

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  • 売上高、純利益ともに2013年3月期以降は毎年増収増益と素晴らしい業績。
  • 純利益率に関しては、15年3月期以降常に50%超で推移。
    営業利益率は前期80.8%、経常利益率は前期83.0%と驚異的な利益率。
  • 成長率に関しては鈍化傾向も、過去10年間で見ると売上高の130.8%増に対して、当期利益は1266.5%増と凄まじい成長率。

主要な取扱商品の一覧

全国保証が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。

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  • 売上高の構成比に関しては単一事業セグメントで信用保証の100%。
  • 海外売上高比率に関しても、海外売上の情報がなく国内100%。

今期進捗状況

全国保証の『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

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  • 今期経常利益の目標に対して、3Q終了時点で59.0%とイマイチ。
    ⇒ただ、今期の目標値は前期からプラス4.8%に設定。
  • 1Qは前期比+3.4%、2Qは前期比+2.7%、3Qは前期比+4.6%と過去最高純益を記録した前期を3Q全てで上回っている状況。
  • 過去3年間の傾向を見ると、4Qでの経常利益割合が42.4%と最も大きな割合を占める傾向にあるので、本決算には注目。

キャッシュフローの推移

全国保証の『資金繰りに問題はないのか?』過去5年間のキャッシュフローの推移を確認してきましょう。

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  • 営業CF、フリーCFともに軒並みプラスで推移しており良好。
  • 現金・現金等価物は着実に増加。
  • 営業CFMは下落基調も、前期は驚異の60.0%。

財務状況の推移

全国保証の『財務状況は問題がないのか?』過去10年間の財務状況の推移を確認していきましょう。

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  • 総資産、自己資本は着実に大きくなっており、右肩上がりで拡大。有利子負債は20年3月期に300億円に増加。
  • 自己資本比率は右肩上がりで推移しており、財務状況は良好。
  • 資産の内訳は固定資産の方が流動資産よりも大きく、その中でも「投資その他の資産」の割合が最も大きい。

生産性と経営効率の推移

全国保証の『生産性と経営効率はどうなのか?』1人当たり純利益とROE/ROAの推移を確認していきましょう。

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  • 従業員数は2017年3月期以降はほぼ横ばいでの推移。
  • 従業員の生産性をあらわす1人当たりの純利益は、右肩上がりで伸びており、前期は驚異の1億271万円。
  • 経営効率をあらわすROE/ROAは、財務レバレッジの低下に伴いROEが下落。

配当金と自己株式取得の推移

全国保証の『株主還元は魅力的なのか?』過去10年間の配当金と自己株式取得の推移を確認していきましょう。

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  • 全国保証は、2014年3月期から9期連続増配中。2012年12月に上場をして以来減配は一度もなし。
    ⇒配当性向は緩やかに上昇も、前期は32.9%と低く、配当余力は十分。
  • 増配率に関しては、過去5年間で114.5%増と2倍超にまで増配。
  • 自己株式の取得に関しては、過去10年間で一度もなし。
  • 総還元利回りは、前期は2.82%と高還元とはいえない水準。
    ⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は1.83%。

配当方針に関して

強固な財務基盤の構築に必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とする。

株主優待

全国保証の株主優待がこちらです。

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企業のページで詳細を確認  ≫

One-Pointメモ

全国保証の株主優待は、クオカードです。100株以上(約49万円分)保有の株主に対して、3,000円相当のクオカードがもらえます。1年以上保有の株主に対しては、長期保有特典として金額が5,000円相当にUPし、クオカードとカタログの選択制。

現在の株価は割安なのか?

全国保証の『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために下記の5項目を確認していきます。

現在の株価水準について

  • 予想PERの状況
  • 実績PBRの状況
  • 配当利回りの推移(過去5年間)
  • 目標株価 / アナリストの評価
  • テクニカル指標の状況

予想PER/実績PBR/予想配当利回り

全国保証の『現在の株価水準は割安なのか?』予想PER/実績PBR/予想配当利回りの推移がこちらです。

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  • 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は3.54%、平均値は2.43%、最小値は1.54%。
    ⇒現在の配当利回りは3.02%で、平均値を上回った水準での推移。
  • 予想PERに関しては現在11.4倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、ともに中央よりもやや低い水準。
  • 実績PBRに関しては現在1.73倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジで見ると、ともに中央よりもかなり低い水準。

目標株価 / テクニカル指標

全国保証の目標株価 / テクニカル指標の状況がこちらです。

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  • アナリストは全国保証に対して『買い』の評価をしており、目標株価は『現在の株価から+15.29%の5730円』。
  • 週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『強い買い』で、総合的には『買い』といった状況。

全国保証の株価下落の理由とは

全国保証の株価が下落する理由にはどのような要因があるのか?

全国保証が事業を行う上で抱えているリスクとして下記の8つのリスクがあげられます。

  1. 信用リスク
  2. 市場関連リスク
  3. オペレーショナルリスク
  4. 流動性リスク
  5. 情報リスク
  6. 法務・コンプライアンスに係るリスク
  7. 規制・制度変更に伴うリスク
  8. 経営戦略リスク

詳しくは、全国保証のHPにも記載されていますので、ご確認いただければと思います。

ただ、この中で最も株価に影響を与えるのは信用リスクですので、詳しく解説をしていきます。

全国保証の株価は経済環境が悪化すると下落する

全国保証が抱えている最も大きなリスクは信用リスク、つまり代位弁済のリスクです。

事業内容の特性上、保証委託者(お客さん)に債務不履行が発生した際に金融機関等に対して代位弁済(代わりに支払う)を行わなければいけません。

ですので、お客さんの債務不履行が発生する可能性が上がると全国保証の業績は悪化し、株価下落の要因となります。

具体的には…

  • 経済環境の悪化
  • 金利の上昇
  • 急激なインフレ

などがあげられます。

個人的な見解ではありますが、依然としてコロナの影響は残っており、経済は停滞…。

更には、資源高を発端に急激なインフレやエネルギー価格の高騰が起こっており、個人の家計は厳しくなっている家庭の方が多いのではないでしょうか?

これらの影響が出てくるのは、もう少し時間が経ってからにはなりますが、実際に倒産している会社も増えてきており、経済環境の悪化は全国保証の事業にとっては大きなリスクです。

個人的見解

全国保証についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。

個人的見解

  • 業績は売上高、純利益ともに2013年3月期以降は毎年増収増益と素晴らしい業績。
  • キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに軒並みプラスで推移しており良好。
    ⇒営業CFMは右肩下がりで推移も前期は驚異の60.0%。
  • 財務状況は総資産、自己資本ともに拡大傾向で、自己資本比率も右肩上がり。
  • 生産性は1人当たり純利益1億271万円と驚異の生産性。
  • 株主還元は2014年3月期から9期連続増配中。
    ⇒2012年12月に上場をして以来減配は一度もなし。
  • 割安性は過去5年間で見ると、やや割安な水準。

これらを踏まえて、ボクの個人的見解は全国保証は業績好調な銘柄の一つで、普段は高配当な銘柄ではないものの、着実に増配をしてきており、予想配当利回りは過去5年間の中では比較的魅力的な水準という見解です。

ただ、PER/PBRにそこまでの割安感はなく、業績の成長率が鈍化してきている点には注意が必要。

YUSUKE
金利上昇により、住宅市況の悪化が進むと、住宅ローンの信用保証が軸の全国保証にとっては厳しい展開が予想される。

注意事項

あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。

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