この記事はこんな方におすすめ!
- 稲畑産業の株に興味がある…。
- 稲畑産業の業績や配当金の推移は良好…?
- 稲畑産業の特徴や強みを知りたい…。

今回は、稲畑産業の株の買い時について分析し、業績や財務、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
前半では稲畑産業の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『稲畑産業に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの個人的な見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
動画で見たい方はこちら
参考【最強の安心感】累進配当を宣言している高配当株を厳選3銘柄紹介
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準から稲畑産業の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年2月1日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
稲畑産業ってどんな企業?
稲畑産業のことをよく知らない…という方のために、『稲畑産業がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

- 稲畑産業は、情報電子と合成樹脂を扱う化学品専門商社。
- 売上高は情報電子と合成樹脂の2事業の合計が8割を超え、アジアを中心とした海外比率が6割超。
- FPD(フラットパネル・ディスプレイ)関連部材の落ち込みが想定超も、米国の化学品、水産物が好調で穴を埋める。
週足チャートの推移
稲畑産業の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

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- コロナショック時に直近安値の963円をつけるも、その後は上昇トレンド。
- 2022年の2月に上方修正を発表し株価は急騰。
⇒2022年10月には上場来高値の2608円をつける。
業績の推移
稲畑産業の『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

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- 売上高、純利益ともに資源高の影響もあり前期に急伸。純利益は2022年3月期に過去最高を記録。
- 利益率に関しては、非常に低いものの緩やかに上昇。
- 成長率に関しては、利益率が改善してきていることもあり、過去10年間で見ると売上高の伸び以上に当期利益が伸長。
主要な取扱商品の一覧
稲畑産業が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。

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- 売上高が最も大きいのは合成樹脂で構成比は46.4%、次に情報電子の36.4%。
- 営業利益の構成比に関しても、売上高の構成比とほぼ変わらず。
- 利益率に関しては、生活産業とその他事業の利益率が高い。
- 海外売上高比率は、日本の割合が35.4%しかなく、次に東南アジアが25.0%、中国が19.5%と、海外売上高比率は6割超。
今期進捗状況
稲畑産業の『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

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- 今期経常利益の目標に対して、2Q終了時点でちょうど半分とまずまず。
- ⇒ただ、今期の目標値は前期からマイナス5.3%に設定。
- 1Qは前期比-16.4%、2Qも前期比-12.0%と、過去最高純益を記録した前期を大きく下回っている状況。
- 時期による傾向は特になく、今後の決算に注目。
キャッシュフローの推移
稲畑産業の『資金繰りに問題はないのか?』過去5年間のキャッシュフローの推移を確認してきましょう。

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- 営業CF、フリーCFともに前期はマイナス。
- 現金・現金等価物は横ばいで推移。
- 営業CFMは前期はマイナスと常に低水準。
財務状況の推移
稲畑産業の『財務状況は問題がないのか?』過去10年間の財務状況の推移を確認していきましょう。

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- 総資産、自己資本は着実に大きくなっており、有利子負債は減少傾向と財務は良好。
- 自己資本比率も右肩上がりで推移しており、非常に安定。
- 資産の内訳は流動資産の方が固定資産よりも大きく、その中でも「売上債権」「棚卸資産」の割合が最も大きい。
生産性と経営効率の推移
稲畑産業の『生産性と経営効率はどうなのか?』1人当たり純利益とROE/ROAの推移を確認していきましょう。

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- 従業員数は2013年3月期から10年間で500人ほど増。
- 従業員の生産性をあらわす1人当たりの純利益は、右肩上がりで伸びており、前期531万円と中央値を大きく上回る。
- 経営効率をあらわすROE/ROAは前期に大きく伸長し、ROEは10%を超える。
配当金と自己株式取得の推移
稲畑産業の『株主還元は魅力的なのか?』過去10年間の配当金と自己株式取得の推移を確認していきましょう。

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- 稲畑産業は、2019年3月期から4期連続増配中。過去10年間で減配は一度もなし。
⇒そのうえ、配当性向は30%以下で推移しており、配当余力は十分。 - 増配率に関しては、過去5年間で175.0%増と3倍近くにまで増配。
- 自己株式の取得に関しては、過去10年間中7期で実施。前期は配当総額以上の取得を実施。
⇒それにも関わらず、総還元性向は過去10年間で38.1% と、まだまだ余力あり。 - 総還元利回りは、前期は12.27%と驚異的な水準。
⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は4.55%。
配当方針に関して
前年度実績を下限とし、減配は行わず、継続的に増加させていくことを基本(累進配当)とし、総還元性向の目安としては概ね50%程度。
株主優待
稲畑産業の株主優待がこちらです。

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One-Pointメモ
稲畑産業の株主優待は、クオカードです。100株以上(約25万円分)保有の株主に対して、500円相当のクオカードがもらえます。6カ月以上保有の株主、3年以上保有の株主に対しては、長期保有特典として金額がUP。
現在の株価は割安なのか?
稲畑産業の『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- 予想PERの推移
- 実績PBRの推移
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
予想PER/実績PBR/予想配当利回り
稲畑産業の『現在の株価水準は割安なのか?』予想PER/実績PBR/予想配当利回りの推移がこちらです。

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- 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は5.51%、平均値は3.81%、最小値は2.35%。
⇒現在の配当利回りは4.59%、株価の上昇分を増配率が上回っており、利回りはコロナショック以降上昇。 - 予想PERに関しては現在7.0倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央に位置。
- 実績PBRに関しては現在0.77倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央よりもやや高い水準。
目標株価 / テクニカル指標
稲畑産業の目標株価 / テクニカル指標の状況がこちらです。

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- 週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『強い買い』で、総合的には『買い』といった状況。
個人的見解
稲畑産業についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績は前期に売上高、純利益ともに資源高の影響もあり急伸し、過去最高益を記録。
- キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに前期はマイナス。
⇒営業CFMも前期はマイナスで常に低水準とイマイチ。 - 財務状況は総資産、自己資本は着実に大きくなっており、有利子負債は減少傾向と良好。
- 生産性は1人当たり純利益531万円と中央値を上回った水準。
- 株主還元は2019年3月期から4期連続増配中。過去10年間で減配は1度もなし。
⇒自己株式の取得は過去10年間中7期と積極的に実施。 - 割安性は配当利回りは魅力的も、割安とは言いづらい水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解は稲畑産業は業績好調な高配当株の一つで、資源高の影響もあり株価は上昇しており、予想配当利回りは比較的高いものの、割安とは言いづらい水準という見解です。
業績も堅調に推移しており、高配当株投資家の間でも人気の銘柄ではあるものの、購入タイミングには気をつけたい銘柄。

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注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。