この記事はこんな方におすすめ!
- 三井不動産の株に興味がある…。
- 三井不動産の業績や配当金の推移は良好…?
- 三井不動産の特徴や強みを知りたい…。

今回は、三井不動産の株の買い時について分析し、業績や優待内容、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
記事前半では三井不動産の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『三井不動産に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの独断と偏見が含まれた個人の見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
動画で見たい方はこちら
参考好業績なのに、1カ月で10%超下落した高配当株を3銘柄紹介!
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準から三井不動産の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年1月17日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
三井不動産ってどんな企業?
三井不動産のことをよく知らない…という方のために、『三井不動産がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。
【8801】三井不動産の公式HP
企業概要
総合不動産で三菱地所と双璧。オフィスビル賃貸は日本橋を本拠に東京都心5区を中心に展開。霞が関ビルディング、東京ミッドタウンなどを保有。2019年には本社機能を有する日本橋室町三井タワーが開業。商業施設は「三井アウトレットパーク」「ららぽーと」が軸。分譲マンション事業でも業界トップクラス。開発、所有、マネジメントの3分野を組み合わせ中長期的な成長を志向。欧米はビル賃貸、アジアは住宅分譲と商業施設を中心に展開。
各種指標
三井不動産の各種指標を確認していきましょう。
- 時価総額は三菱地所とほぼ一緒。自己資本比率は三菱地所にやや劣る。
- 経営効率をはかる指標のひとつのROE/ROAは、3社の中では最も低い。
- 割安度合いをはかる指標の予想PER/実績PBRは、三菱地所よりも低い。
- 配当利回りは、3社の中では最も高い利回り水準。
チャート推移
三井不動産の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
週足チャート
- 週足チャートで見ると、2017年以降、株価は2400円~3000円のレンジで推移。
- コロナショック時に唯一レンジを下にブレイク。その後は上昇し、再度レンジ内での値動き。
- 上昇トレンドで推移していたものの、現在はトレンドラインを下にブレイク。2400円のサポートラインも割ってきており、ここで下げ止まることができるか注目。
業績の推移
三井不動産の過去10年間の業績の推移がこちらです。
- 売上高は2013年以降は毎期プラス成長。純利益もコロナ禍の2021年3月期を除いては毎期プラス成長と右肩上がりで推移。
- 営業利益率、純利益率コロナ禍で一時落ち込むも、再び上昇中。
- 過去10年間での成長率は、売上高は57.0%増にとどまるも、当期利益は253.1%増と素晴らしい成長率。
- 海外売上高比率は情報なしも、海外でも事業を展開。
主要な取扱商品の一覧
三井不動産が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。
- 売上高が最も大きいのは賃貸事業で31.2%の割合を占める。全体的にはバランスの良い売上構成比。
- 営業利益の構成比に関しては、分譲住宅事業が46.8%の割合を占めトップ。
- 利益率に関しても、分譲住宅事業が圧倒的で21.48%と高い利益率を誇る。
今期進捗状況
三井不動産の過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。
- 今期目標に対して、2Q終了時点で残り53.7%とイマイチ。
- 1Qは前期比+135.9%も、2Qは前期比-18.9%。
- 前期、前々期と3Q、4Qに大きく業績を伸ばしているので、今後の決算に注目。
キャッシュフローの推移
三井不動産の過去5年間のキャッシュフローの推移がこちらです。
- 営業CFは毎期プラスも、投資CFが非常に大きく、2018年3月期~2020年3月期まではフリーCFがマイナス。
- 現金・現金等価物は緩やかに増加。
- 営業CFMは伸びてきており、前期は12.9%まで伸びる。
財務状況の推移
三井不動産の過去10年間の財務状況の推移がこちらです。
- 総資産、自己資本、有利子負債と右肩上がりで拡大傾向。
- 自己資本比率は2015年3月期から緩やかに下落も35%前後での推移と安定。
- 資産の割合は固定資産の方が流動資産よりも多く、不動産会社だけに有形固定資産の割合が最も大きい。
従業員数と生産性の推移
三井不動産の従業員数と生産性の推移がこちらです。
- 従業員数は2013年3月期以降、毎年増え続ける。
- 生産性を表す1人当たりの純利益に関しても、コロナ禍で落ち込むも、基本的には右肩上がりで推移。
- 経営効率をあらわすROE/ROAも右肩上がりで推移もコロナ禍で一時落ち込む。
配当金と自己株式取得の推移
三井不動産の過去10年間の配当金と自己株式取得の推移がこちらです。
- 三井不動産は1999年3月期から25年もの期間減配なし。
⇒配当性向は30%以下で推移しており、配当余力は十分。 - 過去5年間での増配率は、+61.8%と着実に増配。
- 自己株式取得に関しては、2018年3月期から5期連続で実施中。
⇒過去10年間での総還元性向は34.4%。 - 総還元利回りは、前期は3%超と株主還元率としては合格点か。
配当方針に関して
安定的な配当の実施とともに、資本効率の向上を目的として、機動的な自己株式の取得を実施する方針。総還元性向については、親会社株主に帰属する当期純利益の45%程度を目途に実施。
株主優待
三井不動産は株主優待はありません。
現在の株価は割安なのか?
三井不動産の現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- PERの推移(過去5年間)
- PBRの推移(過去5年間)
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
PERの推移(過去5年間)
三井不動産の過去5年間の予想PERの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジでは中央値よりもかなり低い水準、過去5年間レンジでは中央値よりやや低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は21.5倍、平均値は15.6倍、最小値は8.1倍。
- 現在の予想PERの水準は過去5年間の平均値を大きく下回っており、コロナショック時の最小値に迫る勢い。
PBRの推移(過去5年間)
三井不動産の過去5年間の実績PBRの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもかなり低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は1.42倍、平均値は1.00倍、最小値は0.64倍。
- 現在の実績PBRの水準は過去5年間の平均値を大きく下回っており、コロナショック時の最小値に迫る。
配当利回りの推移(過去5年間)
三井不動産の過去5年間の予想配当利回りの推移がこちらです。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は2.76%、平均値は1.83%、最小値は1.21%。
- コロナショック時に株価急落に伴い利回り上昇も、減配はなし。前期、そして今期と増配予想。
- 現在の配当利回りの水準は過去5年間の平均値を大きく上回っており、コロナショック時の配当利回りに迫る。
目標株価 / アナリストの評価
三井不動産の目標株価 / アナリストの評価がこちらです。
アナリストは三井不動産に対して『強い買い』の評価をしており、目標株価の平均値は『現在の株価から+43.40%の3296.5円』となっています。
テクニカル指標の状況
三井不動産のテクニカル指標の状況がこちらです。
One-Pointメモ
日足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『買い』、移動平均線は現在『強い売り』で、総合的には『売り』となっています。もう少し長い軸で見る週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『買い』、移動平均線は現在『強い売り』で、総合的には『売り』となっています。
個人的見解
三井不動産についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績は右肩上がりで伸び続けており、前期には過去最高の売上高を記録。
- キャッシュフローは営業CFは毎年プラス。投資に積極的で投資CFは大きくマイナス。
⇒営業CFMは緩やかに上昇。 - 財務状況は総資産、自己資本、有利子負債と全てで拡大傾向。
- 生産性は1人当たり純利益725万円で中央値を大きく上回った水準。
- 株主還元は過去25年間で減配なし。
⇒自己株式の取得も5期連続で実施中。 - 割安性は過去5年間で見ると、かなり割安な水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解は三井不動産は業績好調な銘柄の一つで、配当利回りは3%以下と低いものの、非減配年数は非常に長く、現在の割安度は魅力的な水準という見解です。
株価は節目の2400を下にブレイクしそうで、チャート的にはもう一段株価を下げてくるか注視したいところ。

注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
さいごに
高配当株投資家の最終的な目標は、『夢の配当金生活』を送ることかと思います。
その目標を達成するために身につけるべき力が以下の3つです。
- 銘柄を選定する力
- 売買タイミングを見極める力
- 入金力
この3つの力を鍛えることによって、『夢の配当金生活』に近づくことができるとボクは考えています。
僕が実践している資産形成戦略について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
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