ソフトバンクの株の業績や配当金の推移ってどうなの?
ソフトバンクの株に興味があるんだけど、今の株価は割安?
この記事は、元メガバンク出身の現役FPが、これまでに積んだ経験をもとに執筆しています。
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ソフトバンクってどんな企業?
ソフトバンクは、通信&ICTソリューション会社です。時価総額は約8.4兆円の大型株。コンシューマ、法人、流通、ヤフー・LINE、金融の各事業を展開。ソフトバンクグループの子会社です。
ソフトバンクは何で稼いでいるのか?
それでは、ソフトバンクが『何で稼いでいるのか?』決算資料をもとに簡単にまとめてみました。
2022年度の営業利益に関しては、コンシューマセグメントの割合が約43%と半分近くを占め、その次にヤフー・LINEセグメント、法人セグメントと続いていきます。
前期は、その他・連結調整ということで、PayPay子会社化に伴う再測定益の影響で増益も、肝心のコンシューマ事業は▲28%の減益。
- 通信料値下げの影響
- 顧客獲得施策の影響
- 物販等売上・商品原価
といった3点が主な原因として挙げられています。
過去のチャート推移
つぎに、ソフトバンクの株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
月足10年チャートの推移
ソフトバンクは2018年12月19日に上場をして以来、1200円~1600円のレンジで推移していました。
上場来安値は2020年9月頃に記録した1158円で、これは菅政権発足により、政府が携帯大手3社に対して携帯料金の引き下げ圧力をかけたことが要因として挙げられます。
ですが、それ以降は株価を順調に伸ばしてきており、現在は上場来高値を更新し続けている状況です。
週足3年チャートの推移
直近の値動きを週足3年チャートで確認すると、2021年から2023年の8月頃まではレンジで推移。
23年8月4日に24年3月期の1Q決算が発表されると、株価は力強い値動きで上昇をしています。
現在は上場来高値を毎週のように更新をしており、どこまで株価を伸ばすことが出来るのか注目です。
みなさん気になるソフトバンクの株の買い時については後ほど解説をしていきます。
業績は成長しているのか?
ソフトバンクの『業績は成長しているのか?』把握をするために下記の2項目を確認していきます。
売上高の推移
- 売上高に関しては、右肩上がりで伸びており、上場以来、毎年増収を記録しています。
- 営業利益に関しても同様に、上場以来毎年増益を記録するも、今期は初めての減益予想となっており、現状前期比▲26.4%の計画となっています。
利益率の推移
- 営業利益率は上場前の17年3月期が19.5%と最も高く、そこから徐々に落ちてきています。
- 当期利益率も上場前は10%超も、上場後は緩やかに落ちてきており、前期は9.0%と10%を割っています。
ここで、同業種のライバル企業「NTT」の利益率と比較してみましょう。
- 営業利益率:17.93%
- 当期利益率:8.99%
- 営業利益率:13.92%
- 当期利益率:9.23%
営業利益率はソフトバンクの方が高いですが、最終の当期利益率はNTTの方が僅かに高いものの、ソフトバンクのの利益水準は悪くはないということが分かります。
株主還元は魅力的なのか?
ソフトバンクの『株主還元は魅力的なのか?』把握をするために下記の3項目を確認していきます。
配当金の推移
- ソフトバンクの配当金は、上場して以来一度も減配はありません。
- EPSは緩やかに上昇をしており、着実に増え続けています。
- 配当性向は20年3月期をピークに緩やかに下げてきてはいるものの、前期は76.5%と比較的高い水準です。
配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針とし、業績動向、財政状態、CFの状況などを総合的に勘案して安定性、継続性に配慮しながら実施していく方針。
予想配当利回りの推移
予想配当利回りの推移を過去5年間レンジで確認すると、
- 最大値:7.30%
- 平均値:5.66%
- 最小値:2.59%
現在の予想配当利回りは4.88%で、平均値を下回っており、ソフトバンクにしてはイマイチな利回り水準です。
自社株買いの推移
- 自己株式取得に関しては、上場してからの過去5年間中3期で実施と積極的。
- 総還元性向は、20年3月期に100%を超えるも、その後は100%以下で推移しています。
総還元利回り
- 総還元利回りは、常に高水準を維持しており、前期の23年3月期には6.92%と高還元。
- また、過去5年間での総還元利回りの平均値は6.11%と非常に魅力的な水準かと思います。
株主優待
ソフトバンクには株主優待はありません。
カカクコムの現在の株価は割安なのか?
ソフトバンクの『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために下記の3項目を確認していきます。
予想PERの推移
それでは、予想PERの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:19.8倍
- 平均値:14.2倍
- 最小値:11.5倍
現在の予想PERは19.8倍で、平均値を大きく上回っており、ソフトバンクにしてはかなり割高な水準です。
実績PBRの推移
つづいて、実績PBRの推移を過去5年間レンジで確認してみると、
- 最大値:7.71倍
- 平均値:5.17倍
- 最小値:3.16倍
現在の実績PBRは3.82倍で、平均値を大きく下回っており、ソフトバンクにしては比較的割安な水準です。
理論株価
それでは最後に、今の株価が『理論的に割安なのかどうか』を確認しておきましょう。
ソフトバンクの現在の株価(1,760.5円)に対して、
- PER基準(会社予想):1,582円
- PER基準(アナリスト予想):1,640円
- PBR基準:1,563円
上記のような理論株価になっています。
こちらを見る限り、ソフトバンクの現在の株価は全ての理論株価を上回っており、割高感のある株価水準と見てとれます。
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ソフトバンクの株に対するよくあるQ&A
それでは、ソフトバンクの株に対する『よくある質問』にお答えしていきます。
こちらの記事は、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方は企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
Q1 . 将来性のある企業ですか?
ソフトバンクは将来性のある企業だと思いますか?
結論:個人的には「将来性のある」企業だと考えています。
ソフトバンクの魅力について
- ソフトバンクの業績は安定成長を続けており、我々が生活を送るうえでなくてはならない通信インフラ企業です。
- 配当に関しては、上場して以来一度も減配をしていません。
- 政府において、デジタル実装を通じた地域活性化を推進する「デジタル田園都市国家構想」が掲げられるなどソフトバンクにとっては追い風。
ソフトバンクの懸念材料について
- 燃料の高騰や、通信障害による返金対応が利益を圧迫。
- 同業他社との料金競争などソフトバンクを取り巻く市場環境では競争が激化。
- 業界3位のポジションとNTTとKDDIには遅れを取っている状況。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解は…、
ソフトバンクは業績が安定成長しており、利益率も非常に高く、株主還元に積極的な点とても魅力的。
ですが、ボクにとっては同業種のNTTとKDDIの方が現状魅力的で、敢えて高配当株ポートフォリオに組み込む必要はないと考えています。
Q2 . 「今」って買い時ですか?
ソフトバンクの株は「今」買い時だと思いますか?
結論:個人的には「今」は積極的に買いたいとは思いません。
ちなみに、
ボクは予想配当利回り5.5%をひとつの目安にしています!
※あくまでも個人の見解です。
ソフトバンクの予想配当利回りが5.5%まで上がるためには、株価は1563円まで下げる必要があります。
ソフトバンクの株価は現在、上場来高値を更新し続けており、購入するには比較的リスクの高い価格帯だとボクは考えています。
もちろん、将来的に株価がどう動くのかについては誰にも分かりませんので、ご自身でも様々な角度から分析をしてみて下さい。
Q3 . 高配当株はどうやって買うんですか?
高配当株のお得な買い方の手順はこちらです。
- 手数料の安い証券会社に口座を開設する
- 開設した口座に入金する
- 銘柄を検索し、買付注文を入れる
- 購入完了
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といった質問をよく頂きます。
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