この記事はこんな方におすすめ!
- ヤマハ発動機の株に興味がある…。
- ヤマハ発動機の業績や配当金の推移は良好…?
- ヤマハ発動機の特徴や強みを知りたい…。

今回は、ヤマハ発動機の株の買い時について分析し、業績や優待内容、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
記事前半ではヤマハ発動機の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『ヤマハ発動機に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの独断と偏見が含まれた個人の見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準からヤマハ発動機の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年1月17日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
ヤマハ発動機ってどんな企業?
ヤマハ発動機のことをよく知らない…という方のために、『ヤマハ発動機がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。
【7272】ヤマハ発動機の公式HP
企業概要
ヤマハ発動機は、2輪車で世界大手。1955年に楽器のヤマハから分離。2輪はアジアが主力、インドネシアが収益の柱。船外機やバギー車、スノーモビル、電子基板実装ロボットなど多様な事業を展開。エンジン受託生産でトヨタ自動車と提携。リーマンショックで業績は低下したが、リストラ策が奏功し急回復。ホンダと50cc以下の国内原付バイクや電動バイクの生産・開発で提携、2018年にはホンダからOEM調達を開始。2019年に半導体装置の新川を事業統合、産業ロボットとのシナジーを狙う。自動運転開発ベンチャー・ティアフォーやDMPに出資。円安好感銘柄の一つ。
各種指標
ヤマハ発動機の各種指標を確認していきましょう。
- 時価総額は本田技研工業、スズキに見劣りするも、時価総額1兆円企業。
⇒自己資本比率は3社の中では最も高い。 - 経営効率をはかる指標のひとつのROE/ROAは、同業2社を大きく上回った水準。
- 割安度合いをはかる指標の予想PER/実績PBRは、3社の中でPERは最も低く、PBRは最も高い。
- 配当利回りは、前期、今期予想ともに本田技研工業と同水準。
チャート推移
ヤマハ発動機の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
週足チャート
- 週足チャートで見ると、2017年12月期に当時の過去最高益を記録。
⇒上場来高値の3935円を2018年1月9日につける。 - 2018年12月期から3期連続で減益、コロナショックも重なり直近安値の1120円まで株価は下落。
- 2021年12月期に業績は一転し、売上高、各種利益ともに過去最高を更新。
⇒好調な業績と、急激な円安の影響もあり株価は上昇。
業績の推移
ヤマハ発動機の過去10年間の業績の推移がこちらです。
- 売上高は2018年12月期から3期連続で減益も、前期は需要が急回復し、過去最高の売上高と利益を記録。今期は更に更新する予想。
- 営業利益率、純利益率は前期に急伸し、営業利益率は10%を超える。
- 過去10年間での成長率は、売上高は42.0%増にとどまるも、当期利益は477.1%増と素晴らしい成長率。
- 海外売上高比率はアジアの割合が最も大きく41.0%、次に北米の23.7%と続き、日本の売上高比率は8.7%しかない。
主要な取扱商品の一覧
ヤマハ発動機が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。
- 売上高が最も大きいのはランドモビリティ事業で63.3%の割合を占める。
- 営業利益の構成比に関しては、マリン事業が42.1%の割合を占めトップ。
- 利益率に関しては、金融サービス事業が圧倒的で39.36%と最も高い。
今期進捗状況
ヤマハ発動機の過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。
- 今期目標に対して、3Q終了時点で残り18.5%と進捗は好調。
⇒しかも、経常利益の目標は前期比+23.0%増に設定されており非常に高い目標。 - 1Qは前期比-13.5%も、2Qは前期比+12.1%、3Qは前期比+63.7%と好調。
- 前期、前々期と3Qに比べると、4Qは落ちる傾向にあるので、本決算に注目。
キャッシュフローの推移
ヤマハ発動機の過去5年間のキャッシュフローの推移がこちらです。
- 営業CF、フリーCFは、毎期プラスで推移しており良好。
- 現金・現金等価物は前期、前々期と増加。
- 営業CFMは2018年12月期から緩やかに上昇。
財務状況の推移
ヤマハ発動機の過去10年間の財務状況の推移がこちらです。
- 総資産、自己資本、有利子負債と右肩上がりで拡大傾向。自己資本は毎期プラス成長。
- 自己資本比率は2012年12月期の32.0%から緩やかに上昇してきており、前期は46.9%まで上昇。
- 資産の割合は流動資産の方が固定資産よりも多く、棚卸資産(企業が販売する目的で一時的に保有している商品の総称)が4000億円と大きな割合を占める。
従業員数と生産性の推移
ヤマハ発動機の従業員数と生産性の推移がこちらです。
- 従業員数は2020年12月期にマイナス2800人、前期はマイナス1200人と大幅削減。
- 生産性を表す1人当たりの純利益は304万円と大きく伸長。
- 経営効率をあらわすROE/ROAは前期大幅上昇し、ROEは19.77%と素晴らしい水準。
配当金と自己株式取得の推移
ヤマハ発動機の過去10年間の配当金と自己株式取得の推移がこちらです。
- ヤマハ発動機はコロナ禍の2020年12月期に減配をするも、過去10年間で減配はこの1度だけ。
⇒配当性向は平均に40%以下で推移しており、配当余力は十分。 - 過去5年間での増配率は、+91.7%と着実に増配。
- 自己株式取得に関しては、過去10年間で前期のみ実施。
⇒過去10年間での総還元性向は34.4%。 - 総還元利回りは、前期に至っては7%超と素晴らしい株主還元率。
配当方針に関して
業績の見通しや将来の成長に向けた投資を勘案しつつ、安定的かつ継続的に配当を行う方針。そして、キャッシュ・フローの規模に応じて機動的な株主還元を実施し、総還元性向は中期経営計画期間累計で40%を目安とします。
株主優待
ヤマハ発動機の株主優待がこちらです。
One-Pointメモ
ヤマハ発動機の株主優待は3年以上保有することで、1000ポイント追加で優待ポイントをもらえます。
現在の株価は割安なのか?
ヤマハ発動機の現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- PERの推移(過去5年間)
- PBRの推移(過去5年間)
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
PERの推移(過去5年間)
ヤマハ発動機の過去5年間の予想PERの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもかなり低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は18.3倍、平均値は9.3倍、最小値は4.9倍。
- 現在の予想PERの水準は過去5年間の平均値を大きく下回っており、最小値に迫る勢い。
PBRの推移(過去5年間)
ヤマハ発動機の過去5年間の実績PBRの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもやや低い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は2.24倍、平均値は1.18倍、最小値は0.56倍。
- 現在の実績PBRの水準は過去5年間の平均値近辺での推移となっており、平均的な水準。
配当利回りの推移(過去5年間)
ヤマハ発動機の過去5年間の予想配当利回りの推移がこちらです。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は8.03%、平均値は3.61%、最小値は0.84%。
- コロナショック時に一時大幅減配するも、その後コロナ前の1株配当を超える増配を実施。
- 現在の配当利回りの水準は過去5年間の平均値近辺での推移も、コロナショック時を除いたら魅力的な利回り水準。
目標株価 / アナリストの評価
ヤマハ発動機の目標株価 / アナリストの評価がこちらです。
アナリストはヤマハ発動機に対して『買い』の評価をしており、目標株価の平均値は『現在の株価から+15.68%の3645円』となっています。
テクニカル指標の状況
ヤマハ発動機のテクニカル指標の状況がこちらです。
One-Pointメモ
日足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『買い』、移動平均線は現在『強い買い』で、総合的には『強い買い』となっています。もう少し長い軸で見る週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『売り』、移動平均線は現在『強い買い』で、総合的には『買い』となっています。
ヤマハ発動機の株価が上昇する理由
ヤマハ発動機は、海外売上高比率が90%以上と海外での売上高がとても大きい企業です。
なので、為替が円安にすすむことで業績にはプラスに影響します。
2022年の為替相場は1月~10月の時点で1ドル=115円から32年ぶりに1ドル150円台まで円安が進行しました。
≫ 円高と円安はどっちがいい?株式投資への影響と関係について
海外需要が急回復し、為替が円安にすすんだことが株価上昇の理由か
為替だけでも、1ドル115円⇒1ドル150円にすすむことで、約30%の業績上振れの要因となります。
加えて、コロナ禍で一時落ち込んだ海外からの需要も回復してきており、前期は大幅に増収増益といった結果になりました。
- 為替が急激に円安にすすんだことがプラス要因
- コロナショック以降の海外需要が急伸
- 増配に加えて自社株買いの実施と高い株主還元率
もちろん、株価は様々な要因を含んだうえで、上下しています。
それを踏まえたうえでも、上記の要因は株価上昇にかなり大きな影響を与えていると言えるでしょう。
個人的見解
ヤマハ発動機についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績は前期に売上高、純利益ともに過去最高を記録。今期は更に更新する予想。
- キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに毎期プラスで推移しており良好。
⇒営業CFMは緩やかに上昇。 - 財務状況は総資産、自己資本ともに拡大傾向で、自己資本比率も右肩上がり。
- 生産性は1人当たり純利益304万円と中央値を上回った水準。
- 株主還元は過去10年間で減配はコロナショック時の一度だけ。
⇒前期は自己株式の取得も実施。 - 割安性は過去5年間で見ると、比較的割安な水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解はヤマハ発動機は業績好調な高配当株の一つで、為替が円高にすすんだこともあり株価を下げてきており、予想配当利回りは過去5年間の中では比較的魅力的な水準という見解です。
株価は節目の3000円を下にブレイクしてくるのか、円高はどこまですすむのか、注視したいところ。

注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
さいごに
高配当株投資家の最終的な目標は、『夢の配当金生活』を送ることかと思います。
その目標を達成するために身につけるべき力が以下の3つです。
- 銘柄を選定する力
- 売買タイミングを見極める力
- 入金力
この3つの力を鍛えることによって、『夢の配当金生活』に近づくことができるとボクは考えています。
僕が実践している資産形成戦略について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
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