この記事はこんな方におすすめ!
- 三菱商事の株に興味がある…。
- 三菱商事の業績や配当金の推移は良好…?
- 三菱商事の特徴や強みを知りたい…。

今回は、三菱商事の株の買い時について分析し、業績や財務、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオ作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
前半では三菱商事の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『三菱商事に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの個人的な見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
動画で見たい方はこちら
参考【最強の安心感】累進配当を宣言している高配当株を厳選3銘柄紹介
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準から三菱商事の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年2月1日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
三菱商事ってどんな企業?
三菱商事のことをよく知らない…という方のために、『三菱商事がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。

- 三菱商事は、5大商社の中で総資産・売上高1位の大手総合商社。
- 歴史的に資源関連事業に強く、石油・LNG・石炭・鉄鋼など資源権益を多数保有。
- 北米の樹脂建材、アジアの自動車販売が好調。ドル箱の豪原料炭、天然ガスで市況高を謳歌。
週足チャートの推移
三菱商事の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。

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- 週足チャートで見ると、コロナショック時に直近安値の2095円をつけるも、その後は綺麗な上昇トレンド。
- 2022年には資源高を背景に株価は急騰。
⇒2022年6月に上場来高値の4845円をつける。
業績の推移
三菱商事の『過去10年間の業績の推移』を確認していきましょう。

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- 売上高、純利益ともに資源高の影響もあり前期に急伸。純利益は前期に過去最高を記録。
- 利益率に関しては、コロナ禍で一時落ち込むも、前期は復調し5.4%。
- 成長率に関しては、過去5年間で見ると売上高、経常利益、当期利益と100%超の成長率。
主要な取扱商品の一覧
三菱商事が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。

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- 売上高が最も大きいのは石油・化学ソリューションで構成比は19.9%も、それ以外の事業も非常にバランスの良い売上高割合。
- 純利益の構成比に関しては、金属資源の割合が圧倒的に大きく45.9%を占める。
- 利益率に関しても、金属資源が最も利益率が高く14.72%。
- 海外売上高比率は、日本の割合が約半分を占め、次にアメリカの15.5%と続き、海外売上高比率は約50%。
今期進捗状況
三菱商事の『今期の業績は順調なのか?』過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。

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- 今期経常利益の目標は非開示となってはいるものの、業績は好調。
- 1Qは前期比+198.4%、2Qも前期比+6.2%と、過去最高純益を記録した前期を大きく上回っており絶好調。
- 3Qは例年、業績が伸びる傾向にあるので、次回の決算に注目。
キャッシュフローの推移
三菱商事の『資金繰りに問題はないのか?』過去5年間のキャッシュフローの推移を確認してきましょう。

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- 営業CF、フリーCFは、毎年プラスで推移しており良好。
- 現金・現金等価物も着実に右肩上がりで増加。
- 営業CFMは前期6.1%と平均的な水準。
財務状況の推移
三菱商事の『財務状況は問題がないのか?』過去10年間の財務状況の推移を確認していきましょう。

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- 総資産、自己資本、有利子負債と2017年3月期から右肩上がりと拡大。
- 自己資本比率は常に30%前後で推移しており、非常に安定。
- 資産の割合は流動資産よりも固定資産の方が大きく、その中でも「投資その他の資産」が最も大きく31.3%の割合を占める。
生産性と経営効率の推移
三菱商事の『生産性と経営効率はどうなのか?』1人当たり純利益とROE/ROAの推移を確認していきましょう。

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- 従業員数は2013年3月期から順調に増えるも、2020年3月期を機に減少傾向に。
- 従業員の生産性をあらわす1人当たりの純利益は前期1161万円と中央値を大きく上回る。
- 経営効率をあらわすROE/ROAは前期に大きく伸長し、ROEは15.01%と素晴らしい水準。
配当金と自己株式取得の推移
三菱商事の『株主還元は魅力的なのか?』過去10年間の配当金と自己株式取得の推移を確認していきましょう。

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- 三菱商事は2017年3月期から6期連続増配中。過去10年間で減配は一度だけ。
⇒配当性向は2021年3月期にコロナの影響もあり100%を超えるも、基本的には30%前後で推移。 - 増配率に関しては、過去5年間で87.5%増と2倍近くにまで増配。
- 自己株式の取得に関しては、過去10年間中4期で実施。
⇒総還元性向は過去10年間で49.0%の還元率 。 - 総還元利回りは、10%を超えている年も。
⇒過去10年間での総還元利回りの平均値は4.79%。
配当方針に関して
財務健全性、配当の安定成長、株主還元に対する市場期待の3つのバランスがとれた還元政策を目標に、30~40%程度の総還元性向を目処に、持続的な利益成長に応じて増配を行う累進配当を実施する方針。
株主優待
三菱商事は株主優待はありません。
現在の株価は割安なのか?
三菱商事の『現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?』把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- 予想PERの推移
- 実績PBRの推移
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
予想PER/実績PBR/予想配当利回り
三菱商事の『現在の株価水準は割安なのか?』予想PER/実績PBR/予想配当利回りの推移がこちらです。

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- 過去5年間の予想配当利回りの推移を見ると、最大値は6.32%、平均値は4.23%、最小値は3.01%。
⇒現在の配当利回りは3.55%で、最近の株価上昇に伴い利回りは低水準。 - 予想PERに関しては現在6.2倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央よりもかなり低い水準。
- 実績PBRに関しては現在0.80倍で、過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央よりもやや低い水準。
目標株価 / テクニカル指標
三菱商事の目標株価 / テクニカル指標の状況がこちらです。

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- アナリストは三菱商事に対して『買い』の評価をしており、目標株価は『現在の株価から+28.72%の5616円』。
- 週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『強い買い』で、総合的には『買い』といった状況。
個人的見解
三菱商事についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績は前期に売上高、純利益ともに資源高の影響もあり急伸。
⇒純利益は前期に過去最高を記録。 - キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに毎期プラスで推移しており良好。
- 財務状況は総資産、自己資本、有利子負債と右肩上がりで拡大。
- 生産性は1人当たり純利益1161万円と素晴らしい水準。
- 株主還元は2017年3月期から6期連続で増配中。
⇒前期は自己株式の取得も実施。 - 割安性は過去5年間で見ると、割安とは言えない水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解は三菱商事は業績好調な高配当株の一つで、資源高の影響もあり株価は右肩上がりで上昇してはいるものの、予想配当利回りは過去5年間の中ではかなり低い水準でイマイチという見解です。
業績は素晴らしいものの、株価は上げており利回り水準も、もう少し上がってくるのを待ちたいところ。

注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。