この記事はこんな方におすすめ!
- 日本電信電話の株に興味がある…。
- 日本電信電話の業績や配当金の推移は良好…?
- 日本電信電話の特徴や強みを知りたい…。

今回は、日本電信電話の株の買い時について分析し、業績や優待内容、配当金の推移等、注目すべきポイントをまとめました!
この記事を読むことで、高配当株ポートフォリオの作成の参考になるかと思います。
この記事の内容は…
記事前半では日本電信電話の業績や配当金の推移について、後半では現在の株価水準は割安なのか?それとも割高なのか?について言及をしていくので、ぜひ参考にしてください!
※すぐに『日本電信電話に対するボクの見解を知りたい!』という方は、【個人的見解】からご覧ください!
注意事項
本記事はボクの銘柄分析の一環としてまとめたもので、ボクの独断と偏見が含まれた個人の見解になります。投資をする際は最新の情報を調べた上で、必ず自己責任で投資判断をするようお願いいたします。
高配当株投資の代表的な6つの投資判断基準
投資判断の基準は「投資家」や「投資スタイル」によって様々です。
ボクの軸としている高配当株投資の場合は、業績好調な高配当株に出来るだけ割安な水準で投資をすることが重要なので、以下の6つの観点を重視しています。
上記6つの投資判断基準から日本電信電話の株は買い時なのか?ボクなりに分析をしてみました。
前提条件として…
こちらの記事は『マネックス証券の銘柄スカウター』とチャート分析ツール『TradingView』を活用して、【2023年1月4日時点】での情報をもとに作成をした記事になっておりますので、事前にご理解ください。
日本電信電話ってどんな企業?
日本電信電話のことをよく知らない…という方のために、『日本電信電話がどんな企業なのか?』について概要を解説していきます。
【9432】日本電信電話の公式HP
企業概要
日本電信電話の前身は日本電信電話公社。1985年の民営化で発足。1999年にNTTグループの純粋持ち株会社へ移行し現体制に。傘下に移動通信のNTTドコモ、固定通信のNTT東西、システム開発のNTTデータ、長距離・国際通信のNTTコミュニケーションズなどを保有。固定電話が減少する中、営業益の6割を稼ぐドコモが牽引。光回線は2015年開始の卸売りが奏功し拡大続く。ただ国内の成長には限界があり、IT軸に海外を成長のカギに据える。クラウド関連など海外企業買収に積極的。19年にはグローバル事業の中間持ち株会社を設立した。
各種指標
日本電信電話の各種指標を確認していきましょう。
- 時価総額はKDDI、ソフトバンクを上回っており、同業種No.1。日本では二番目に大きい。
- 経営効率をはかる指標のひとつのROE/ROAは3社ともに高く、ROEはソフトバンクが断トツ。
- 予想PER/実績PBRともにKDDI、ソフトバンクよりも低い水準。
- 配当利回りは3社ともに3%超で、ソフトバンクに関しては5.78%と非常に高い。
チャート推移
日本電信電話の株価が『どのような値動きをしているのか』確認をしていきましょう。
- 週足チャートで見ると、2017年から2020年まではレンジで推移。2021年からは強い上昇トレンド。
- 現在は、直近高値の4128円から約10%下落の3750円と、3700円の支持線で下げ止まることができるか注目。
- RSIは2022年に買われ過ぎの水準である70を超えてからは下げてきており、反転を待ちたいところ。
業績の推移
日本電信電話の過去10年間の業績の推移がこちらです。
- 売上高は緩やかな右肩上がりとなっており、前期は売上高、各種利益ともに過去最高を記録。
- 営業利益率、純利益率は2013年3月期から緩やかに上昇。
- 10年間での成長率は、売上高は15.7%増にとどまるも、当期利益は152.5%増と素晴らしい成長率。
- 海外売上高比率は国内が8割、海外が2割の比率。
携帯電話の契約数は国内シェアNo.1です。
主要な取扱商品の一覧
日本電信電話が『何で稼いでいるのか?』取り扱っている主要な商品と売上高の構成比がこちらです。
- 売上高の4割超を占めるのは、携帯電話事業などを含む総合ICT事業。
- 営業利益の構成比に関しても、総合ICT事業が6割超を占めており、稼ぎ頭。
- 利益率に関しても、総合ICT事業が18.27%と最も高く、地域通信事業が13.72%でつづく。
今期進捗状況
日本電信電話の過去3年間の四半期経常利益の推移と、今期の進捗状況がこちらです。
- 今期目標に対して、2Q終了時点で残り44.0%と順調。
- 1Qに前期比+5.9%も、2Qは前期比-4.8%と苦戦。
- 4Qに経常利益は落ち込む傾向にあるので、3Qでどこまで伸ばすことができるのか注目。
キャッシュフローの推移
日本電信電話の過去5年間のキャッシュフローの推移がこちらです。
- 営業CF、フリーCFと毎年プラスで推移しており良好。
- 現金・現金等価物は横ばいで推移。
- 営業CFMは2020年3月期から25%前後で推移しており、素晴らしい収益性。
財務状況の推移
日本電信電話の過去10年間の財務状況の推移がこちらです。
- 総資産は右肩上がりで増えるも、2019年3月期を機に、自己資本は減少、有利子負債は増加とイマイチ。
- 自己資本比率も40%を割り込み悪化傾向。
- 総資産の内訳を見ると、固定資産の割合の方が多く、その中でも有形固定資産(電気通信関連の設備)が10兆円と最も大きく、約4割を占める。
従業員数と生産性の推移
日本電信電話の従業員数と生産性の推移がこちらです。
- 従業員数は2016年3月期を除き、毎年増え続ける。
- 生産性を表す1人当たりの純利益は前期354万円と中央値を上回った水準。
- 経営効率をあらわすROE/ROAは、右肩上がりで伸びているものの、財務レバレッジが大きく影響。
配当金と自己株式取得の推移
日本電信電話の過去10年間の配当金と自己株式取得の推移がこちらです。
- 日本電信電話は2012年3月期から11期連続で増配中。
⇒配当性向は40%以下で推移と、配当余力は十分。 - 過去5年間での増配率は、+91.7%と年平均+18.3%の増配率。
- 自己株式取得に関しては、過去10年間で2020年3月期を除く9期で実施と良好。
⇒過去10年間での総還元性向は75.0%。 - 総還元利回りは、非常に高く10%を超えている年度もあり、10年間での平均は6.53%。
配当方針に関して
継続的な増配の実施を基本的な考え方とし、自己株式取得についても機動的に実施することで資本効率の向上を図っていく方針。
株主優待
日本電信電話の株主優待がこちらです。
One-Pointメモ
日本電信電話の株主優待は5年以上保有することで、2回だけdポイントがもらえる機会があります。
現在の株価は割安なのか?
日本電信電話の現在の株価は割安なのか?それとも割高なのか?把握をするために下記の5項目を確認していきます。
現在の株価水準について
- PERの推移(過去5年間)
- PBRの推移(過去5年間)
- 配当利回りの推移(過去5年間)
- 目標株価 / アナリストの評価
- テクニカル指標の状況
PERの推移(過去5年間)
日本電信電話の過去5年間の予想PERの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりもやや高い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は12.9倍、平均値は11.1倍、最小値は9.0倍と非常に安定。
- 現在の予想PERの水準は過去5年間の平均値近辺で推移しており、ちょうど平均的な水準。
PBRの推移(過去5年間)
日本電信電話の過去5年間の実績PBRの推移がこちらです。
- 過去2年間レンジ、過去5年間レンジともに中央値よりも比較的高い水準に位置。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は1.72倍、平均値は1.21倍、最小値は0.85倍。
- 現在の実績PBRの水準は過去5年間の平均値を大きく上回っており、最大値を更新しながら上昇中。
配当利回りの推移(過去5年間)
日本電信電話の過去5年間の予想配当利回りの推移がこちらです。
- 過去5年間の推移を見ると、最大値は4.65%、平均値は3.58%、最小値は2.92%。
- コロナショック後の2020年10月につけた最大値4.65%から配当利回りは緩やかに下降中。
- 現在の配当利回りの水準は過去5年間の平均値を大きく下回っており、最小値近辺での推移。
目標株価 / アナリストの評価
日本電信電話の目標株価 / アナリストの評価がこちらです。
アナリストは日本電信電話に対して『強い買い』の評価をしており、目標株価の平均値は『現在の株価から+21.00%の4,581円』となっています。
テクニカル指標の状況
日本電信電話のテクニカル指標の状況がこちらです。
One-Pointメモ
日足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『強い売り』で、総合的には『売り』となっています。もう少し長い軸で見る週足のテクニカル指標では、オシレーターは現在『中立』、移動平均線は現在『売り』で、総合的には『売り』となっています。
個人的見解
日本電信電話についてあらゆる角度から企業分析をした結果、超簡単にまとめると下記のようになります。
個人的見解
- 業績は堅調に推移しており、前期は過去最高を記録。今期も更新する予想。
⇒携帯電話契約数は国内シェアNo.1。 - キャッシュフローは営業CF、フリーCFともに毎年プラスで推移しており良好。
⇒営業CFMは25%前後で推移と素晴らしい水準。 - 財務状況は有利子負債増加で、自己資本比率も悪化傾向。
- 生産性は1人当たり純利益は中央値を上回った水準。
⇒ROEは右肩上がりで伸長。 - 株主還元は11期連続で増配中で、配当性向も40%以下で推移と良好。
⇒自己株式取得に関しても積極的に実施中。 - 割安性は過去5年間で見ると、とても割安とは言えない水準。
これらを踏まえて、ボクの個人的見解は日本電信電話はとても魅力的な高配当株の一つではあるものの、現在の株価水準は過去5年間の中ではとても割安とは言えない水準という見解です。
株価は2020年の末から70%ほど上昇をしており、一度調整を挟んでもおかしくない水準かと思います。

注意事項
あくまでも、ボクの現段階での個人的見解であり、経済環境の変化により見解も変わります。投資を検討の方はご自身でしっかりと企業分析をした上で、必ずご自身の判断で投資をするようお願いいたします。
さいごに
高配当株投資家の最終的な目標は、『夢の配当金生活』を送ることかと思います。
その目標を達成するために身につけるべき力が以下の3つです。
- 銘柄を選定する力
- 売買タイミングを見極める力
- 入金力
この3つの力を鍛えることによって、『夢の配当金生活』に近づくことができるとボクは考えています。
僕が実践している資産形成戦略について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
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