早速ですが、先週の7月14日木曜日に、【任天堂が映像制作会社の『ダイナモピクチャーズの全株式を取得し、子会社化する』ことを発表】しました。
簡単に任天堂がどんな会社か解説をしておくと、
企業概要
任天堂は家庭用ゲームの世界的メーカーです。家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」、携帯型ゲーム機「Switch Lite」の開発・製造・販売、専用ゲーム機向け・スマホ向けゲームソフトの開発・販売をしています。
そしてこちらが、任天堂の子会社化発表の開示資料です。
子会社化に関するお知らせ
開示資料の要約
■ダイナモピクチャーズの全株式を取得した
■ダイナモピクチャーズは映像コンテンツの企画・制作会社
■子会社化することで、映像コンテンツの企画・制作体制を強化することが目的
■ダイナモピクチャーズ⇒ニンテンドーピクチャーズに商号変更の予定
■子会社化が当期の業績に与える影響は軽微
この子会社化の発表を受けて、翌日に『Q.任天堂の株を買ってみたいと思いますか?』とアンケートを取りました。
こちらのアンケート結果を見た感想
皆、任天堂の株の事は気になっていたけど、100株購入するのに600万円以上の資金が必要となり、『高くてなかなか手が出せない』人が多いんだと感じました。
もう一つ、個人投資家の動向と同じくらい気になるのが、【『子会社化の発表後』の株価の値動き】です。
この発表を受けて、市場は実際にどう動いたのでしょうか?
任天堂自体は「業績に与える影響は軽微である」との発表をしたものの、マーケットはこの子会社化は任天堂にとって大きなメリットがあるとの判断をしました。
それもそのはずで、ダイナモピクチャーズは、CG制作プロダクションとして20年以上、映画・TV・ゲームアニメなど数えきれいほどのタイトルのCG 制作を担当しており、実績が素晴らしいです。
ダイナモピクチャーズの主な実績
・ジブリ映画「アーヤと魔女」のCG制作
・「モンスターハンター:ワールド」のモーションキャプチャー
・アニメ「モンスターストライク」のCG制作
現在、「スーパーマリオ」のCGアニメ映画化が任天堂では進んでおり、これを機に任天堂の作品がもっと増えていきそうです。
この子会社化は任天堂にとって、単に業績を上乗せするだけではなく、「かなり大きなシナジー効果を生む」買収だと僕は感じました。
そこで今回は、『ダイナモピクチャーズの子会社化を先日発表した任天堂』を深掘りし、僕自身の見解をお伝えしていきたいと思います。

【7974】任天堂
それでは、【7974】任天堂を深掘りしていきます。
業績
次に、業績の確認ということで、『売上高の推移』と『各利益の推移』をチェックしていきましょう。
売上高の推移
One-Pointメモ
今期の予想は-5.6%の予想で、営業利益率も大幅に落ちる予想です。
各利益の推移
One-Pointメモ
2017年の3月にNintendo Switchを発売し、そこからの利益の伸びが凄まじいです。特に、コロナ禍の2021年3月期の営業利益、純利益の成長率は80%超ととてつもない結果を残しました。
財務
次に、財務の確認ということで、『自己資本比率の推移』と『利益剰余金/有利子負債の推移』をチェックしていきましょう。
財務面の推移
One-Pointメモ
ゲーム業界は出す作品の「当たり」「ハズレ」が明確に出る業界です。任天堂もWiiの大ヒットの後に出したニンテンドー3DSとWii Uが大コケし、2012年から2014年までの3年間は営業赤字を記録しています。その為、短期的な業績に左右される事のないように、潤沢な研究開発費をストックしておく必要があるので、常に高い自己資本比率、無借金経営を続けています。
配当金
次に、配当金の確認ということで、『EPS/BPSの推移』と『配当金の推移』をチェックしていきましょう。
EPS/BPSの推移
One-Pointメモ
こちらのグラフを見てわかる通り、任天堂の一株あたりの価値は年々増えてきており、EPSは2017年3月期から前期は約5倍にまで成長しました。
配当金の推移
One-Pointメモ
任天堂の配当方針は、【『連結営業利益の33%を配当金総額の基準』とし、期末時点で保有する自己株式数を差し引いた発行済株式数で除した金額の10円未満を切り上げた金額】か、もしくは【『連結配当性向50%を基準』として10円未満を切り上げた金額】の、いずれか高い方を、1株当たり年間配当金として決定する方針。
生産性
次に、生産性の確認ということで、『従業員数の推移』と『一人当たり純利益の推移』をチェックしていきましょう。
生産性の推移
One-Pointメモ
従業員1人が7000万円の利益を上げている任天堂の平均給与が気になったので調べてみたところ、平均年収988万円でした。初任給が月23.3万円なので、年次を重ねている従業員の年収はかなり高いことが予想されます。
同業他社比較
次に、同業他社の「ソニー」「ネクソン」「バンダイナムコ」「スクエニ」と比較をしていきましょう。
One-Pointメモ
ソニーはゲームだけではなく、家電や映画、金融と多岐に渡るサービスを提供していることもあり、各種数値が頭一つ抜き出ています。ゲーム業界の中での売上高はソニーが1位、任天堂が2位、バンダイナムコが3位となっていますが、実質ソニーと任天堂の2強となっています。
個人的見解
ここまで任天堂を深掘りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここからはまとめとして、僕の独断と偏見にまみれた独り言を少し話そうと思います。
今後の株価を予想していく上で、任天堂のプラス材料は大きく3つで、
任天堂のプラス材料3つ
- 株式分割を9月末に控えている
⇒購入単価の引き下げによる新規株主の流入が期待される - ダイナモピクチャーズの子会社化
⇒任天堂コンテンツのCGアニメの映画化が加速 - 円安による業績上乗せ
⇒業績予想は1ドル=115円、1ユーロ=125円で計算(海外売上高比率78.8%)
任天堂の懸念点
半導体不足によりNintendo Switchの供給が落ち込む可能性や、Nintendo Switchに次ぐハードウェアが今後どうなっていくのか、スマホなどのモバイルゲーム市場への対応は気になる点です。
任天堂の買い時はいつか
最後に、『任天堂の買い時はいつか』ということで、『月足チャート』と、『PER/PBRの推移』、『相対株価/配当利回り』をチェックしながら買い場を考えていきましょう。
月足チャート
月足チャート
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
2012年3月期から2014年3月期までの3年間は営業赤字で株価も低迷していました。ですが、その後黒字転換をし、2017年3月3日にswitchを発売。現在は綺麗な上昇トレンドになっており、上場来高値の73,200円を目指すことが出来るか?といった状況。
PER/PBRの推移
PER/PBRの推移
使用ツール:TradingView
One-Pointメモ
PERを見ていくと、過去5年で上は45倍、下は15倍が意識をされているラインと見て取る事ができ、現在のPER14.98倍はかなり割安な水準に見えます。PBRは過去5年で上は4.4倍、下は2.5倍が意識をされているラインで、徐々に下げてきてはいるものの、現在の3.44倍は平均的な水準と見て取れます。
相対株価/配当利回りの推移
One-Pointメモ
対TOPIXでの相対株価を見ていくと、任天堂はswitch発売以降、常にTOPIXを上回っており、過去10年間でTOPIXの272%になっています。また、任天堂の株価は10年前の数値と比較をすると694%になっています。次に配当利回りの推移を見ていくと、今期が非開示なので2022年5月9日で止まっているんですが、5月9日時点で3.02%、現在の実績配当利回りは3.27%です。過去5年の推移を見るに配当利回りが2.5%を超える水準はほとんどなく、配当利回りが上がってきている現在は一つの買い場としては面白いかと思います。

最後に
『高配当株を買って日々の生活を豊かにしていきたい!』と思ってるけど、まだまだ資金が少ないという方は1株ずつ高配当株を購入していくことを僕はオススメします。
昔と違い、今はネット証券大手のマネックス証券でも1株から手数料無料で買い付けが可能です。

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贅沢をする順番をかえるだけ
コンビニでの買い物や、お昼のランチ代、会社の飲み会を1回我慢するだけで、好きな高配当株を買う事が出来ます。ちょっとした我慢を先にすることで、将来的には配当金でランチをしたり、友達と飲み会にいったりすることが出来るようになります。
誰もが最初は少額から。1株ずつコツコツと一緒に高配当株を積み上げていきましょう。
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